「音読」が子供の語彙力向上に不可欠な理由と実践した効果

最近、お子さんの宿題で「国語の文章音読」というものはありますか?

宿題ではあるものの、学校の国語の授業で先生が生徒に音読をさせないということが増えつつあります。

先生によって異なりますが、授業の中で「音読をさせない」という現象が特に高学年に多いと聞きます。なぜ音読をさせない授業が増えつつあるのでしょうか?

実際、小学生の語彙力の低下が注目されていますが、集中力や記憶力の低下も同時に指摘されています。

「音読」を重要視している先生は、今でも音読をどんどん取り入れていますが、将来様々なところで役に立ちます。

では、「音読」が将来において、不可欠なのかを解説していきます。

音読をすることは脳を活性化させる

ある脳医学の研究では、「音読をすることは脳の活性化になる」という研究が発表されています。

*参考リンク:脳の権威が実証! 子供の頭をよくする音読&褒めワザ

この発表を元に、実は医療面で認知症の方の記憶力低下防止の為に、リハビリ治療で「歌を歌ってもらう」「簡単な本を読んでもらう」ということを取り入れています。

音読をするということは、私達は気がつかないことですが、記憶力や判断力などを司る「前頭葉」を中心に脳全体を刺激していきます。

「音読」をするということは、他の感覚も刺激することになり、音読をしていると、脳の中で複数の処理を行うことになり活性化させることにつながります。

脳の中での複数処理をするということは?

「音読」をすることは、まず口を使いますよね?

言葉を発するということは、目で見た文字を言葉にするという処理を行うので、ここでひとつ脳が動いていることになります。

目で見た文字を言葉として理解する必要があるので、脳がどんどん動くことになり、声に出した言葉は、耳に入り耳を通じて、実は脳に言葉がどんどん入り溜まっていくことになります。

「音読」をするということは、「文字を追いかけること」「言葉の意味を理解しながら読む」という要素の他に「集中して読む」ということも必要になります。

「音読」の基本は、この脳の動きを同時にすることになりますが、「言葉の語彙」をつけていくことと、「集中力を高める」「語彙を貯めていく」という複雑な複数処理を脳の中で行われています。

音読によって子供の脳の成熟度に影響がでる

小さなお子さんに「絵本の読み聞かせ」をされるご家庭は多いですよね?

これは、すでに子供の耳から脳へどんどん「言葉」の刺激を与えていることになっていて、母国語である日本語を覚えることにつながっています。

「音読」でリラックス効果が得られる

人間は耳から入る「言葉」によって、自国の言語を覚え絵本の中の文章のテンポを楽しんでいると言われています。

お母さんが読んでくれる話を、自然と集中して聞くことで脳の成熟を促しているということもわかっています。

同時に「音読」には声に出すことで、リラックス効果があり、「セロトニン」という物質が出て、心の安定にもなるという報告が出ています。

絵本の読み聞かせをする母親

「音読」は作文の語彙力、内容力に差が出る

小学校に入学し、低学年・中学年では音読は授業で行われているのですが、高学年になると宿題には出すものの、授業でさせない学校が増えているという声を聞きます。

教育系の雑誌でも指摘されているのですが、子供に作文を書かせてみると、あまりの語彙力の少なさに驚くこともあれば、文字数の少なさ、内容のなさに驚くことが多いと言われています。

高学年になると、音読について重要視しない傾向が見られ、高学年になるほど、英語など様々な授業が追加されて、母国語の日本語が忘れられがちな傾向があるものと考えられます。

何を読ませても構いません。声に出して読むことが大切!

「音読の重要性」について、とても有名な「齋藤孝」先生の本で「声に出して読みたい日本語」は大ベストセラーですね。

斎藤先生の著書がベストセラーになる理由としては、「音読をさせることは今の日本人には大切」と言われています。現代人において、コミュニケーション能力が欠落している傾向が強いと言われています。

インターネットの普及で文字だけのやり取りが問題視されています。声に出す必要がない為です。

音読をするとどんどん耳からいい言葉が入り、脳に蓄積されますから、何か文章を書くときに、簡単な言葉を昔からある言葉に変換することで、知的な文章に置き換わっていき、その人の評価が上がります。

現代人が使わない言葉というのは、新聞に隠れています。現代文学でも、昔ながらの言葉を大切にしている作家さんも多いので、音読する本に決まりごとは一切ありません。

小学校高学年のお子さんにも絵本で名作を音読させることは、子供の息抜きになるのでお勧めです。

耳から入る「素晴らしい日本語」を聞くということは、語彙力をあげることはもちろん聞くことで集中力を上げていくので、音読は中学進学後でも非常に重要です。

「音読」を実践した効果は?「音読」から得られる語彙力は一生もの

中学進学後に英語の暗唱で、最近のお子さんで「声に出して覚えようとしないお子さんが多い」と聞きました。

筆者の子供もその傾向があり、声に出して覚えることの重要性を教えてから、英語の成績はかなり上がりました。

大人になってから、仕事で何か文章を書くときに音読をすると間違えを見つけやすくなり、言葉の入れ替えをする箇所を見つけて修正すると、素晴らしい文章になることもあります。

子供のうちから音読の習慣をつけると社会に出ても音読で得た効果が役に立つので、一生涯「音読」というのは大切になることを、お子さんに教えてあげましょう。

「音読」で鍛えたことは、コミュニケーション能力も向上して、綺麗な言葉遣いができることにもなりますので、どんどん「音読」というものをご家庭で活用してみてください。