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2017-04-19

仕事率の求め方はこれで完璧!物理における仕事の定義と覚えておくべき公式

仕事率の求め方はこれで完璧

今回ご説明する「仕事率」は、中学三年生で学習物理範囲に含まれるものです。

中学生で学習する理科は、小学生で学習する理科と学問としての色彩を帯びてくる高校理科との間の、ちょうど橋渡し的な役割を担っていて、範囲によって学習難度にはかなり差が生まれることになります。

特に、この仕事率あたりの分野は難しい側に位置するもので、受験が迫ってくる忙しない中で新たに学ばなければならないことから、生徒にとっては敬遠しがちな内容になってしまいます。

とはいえ、受験ではもちろん必須の分野ですから、確実に公式を利用して計算する能力を身に付けなければなりません。また、さまざまなケースで「仕事」が想定されることから、いくつもの場面の処理を覚える必要もあります。

荷が重いかもしれませんが、理屈をしっかりと確認しながら学習を進めましょう。

物理における仕事とは

仕事率について学習する前に、そもそも物理の世界で言う「仕事」とはどのようなものであるのかについて確認をしましょう。

ある物体に力を加えて、力の向きに動かしたとき、その物体に「仕事」をしたと言います。

抽象的な説明から理解することも大切ですが、具体的な事象を考えることでイメージを作りましょう。

仕事のイメージ

例えば、地面に落ちている空き缶を蹴飛ばした時、その空き缶は蹴った方向に飛んでいくでしょう。

このようなとき、空き缶に力を加えてこれを動かしたことになりますので、空き缶に「仕事」をした、と表現することができます。

仕事の公式

「仕事」がどのようなものであるか何となくわかっていただけましたか?では具体的な数値をもって「仕事」の大きさを求めてみましょう。

仕事の大きさを求めるためには、以下の公式を使用することになります。

【公式】

仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動かした距離(m)

仕事の単位

仕事の単位はJ(ジュール)というものを使用します。

また、力の大きさを表す単位としてN(ニュートン)が使われることはもう定着していますか?

曖昧な場合には復習をしてから先に進みましょう。

物理の範囲では、一般的に力の大きさについての単位はN(ニュートン)で統一されますが、関連した単位として挙げられる㎏からの変換についても復習をしておきましょう。

※基本的に1㎏=9.8N換算することになりますが、問題文において適宜変換公式について指定されるのが通常です。

仕事の求め方

物体を力の向きに動かす

では、60Nの力で、ある物体を5m動かしたときの仕事を求めてみましょう。

60Nの力で物体を5m動かしたことから、これを上の公式にあてはめると、

60(N)×5(m)=300(J)

という形で求めることができます。公式さえ定着していれば難しくはないでしょう。

物体を引き上げる

関連して、ある物体を引き上げた場合の仕事についても考えてみましょう。例えば、40Nの物体を4mの高さに引き上げる仕事の大きさを求める場合も、上の公式を利用することによって求めることができます。つまり、

40(N)×4(m)=160(J)

ということになります。

物体に対して力を加えて移動させる場合であれば、横に移動させても、縦に移動させても、同じ公式を利用して仕事を求めることができる点を学んで下さい。

物体をゆかの上で引く

ある物体を、ゆかの上で引いて動かした場合、ゆかと物体の間に摩擦力が発生します。この摩擦力は、物体を引く力と同じ大きさで、向きは反対となります。

例えば、質量が500gの物体を水平なゆかの上に置き、一定の速さで引いて50cm動かしたとしましょう。物体を引く力が1.6Nであったとき、物体を動かした仕事の大きさを求めてみましょう。

この場合、引く力が1.6Nで、0.5m移動させたという点に注目することによって、1.6×0.5=0.8(J)という処理をすることももちろん可能です。

ただ、摩擦力に注目した場合に、引く力と同じ大きさの力が逆向きに加わっていることから、1.6Nの摩擦力が物体にかかったと表現することもできます。そこで、

物体をゆかの上で引いて動かす仕事(J)=摩擦力(N)×移動した距離(m)

という表現をすることも可能となる点に一応注意をしておきましょう。

仕事率

仕事率

仕事率とは

「仕事」を求めることができるようになれば、ようやく「仕事率」について考えることができます。仕事率とは、単位時間あたりにする仕事の大きさのことを言います。

一般的にはここで言う「単位時間」とは1秒を指すとされています。仕事率を求める公式は以下の通りです。

【公式】

仕事率(W)=仕事の大きさ(J)÷仕事にかかった時間(s)

単位

仕事率の単位はW(ワット)が使用されるのが一般的ですが、公式をより忠実に表現する意味でJ/s(ジュール毎秒)という表記がされることもしばしばですので、混乱しないようにしましょう。

また、秒のことをsという単位で表す点にも注意しましょう。

ここで大切なことは、仕事「率」という名の通り、どれだけの効率で仕事をすることができたのか、仕事のペースはどの程度のものなのか、ということを測るための指針が「仕事率」であると理解することです。

公式を暗記するだけではいずれ忘れてしまいますので、何故仕事率などというものを考えなければならないのか、という点について、しっかりと理由付けをして頭の中に刻み込みましょう。

仕事率を求める問題1

【例題】

質量5㎏の物体を4m引き上げるという作業を行う場合について、

①モーターAを使用すると8秒かかった。
②モーターBを使用すると10秒かかった。

モーターAとBで、どちらの仕事率の方が大きいか、また、そのときの仕事率を求めなさい。なお、100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとする。

解法とポイント

まず、仕事に関する問題ですので、物質の質量に関して、単位が㎏のままではいけません。

このような形で問題においてNへの換算が誘導されますので、丁寧に変換して準備を整えてから本題に進むようにしましょう。本問では、物体の質量は5㎏ですので、100g=1Nという条件を利用すると、50Nの力がかかっているということがわかります。

そして、①②のいずれの場合であったとしても、物体に働く力は同じですし、移動させる距離も等しいです。つまり、①と②では時間は確かに異なりますが、「仕事」の大きさは変わらないことが分かります。そこで、仕事の大きさを先に求めておきましょう。仕事の公式を利用すると、

50(N)×4(m)=200(J)

という形で求めることができます。

各モーターの仕事率

それでは、それぞれのモーターについて、仕事率を求めてみましょう。

モーターA:
200(J)/8(s)=25(W)

モーターB:
200(J)/10(s)=20(W)

という形でそれぞれの仕事率を求めることができます。

答え

本問ではモーターAの方が仕事率が大きく、またその仕事率は25Wである、ということになります。

同じ仕事をする場合には、それを短い時間で完了させることができる方が効率が良いと考えることができますので、この解答は納得しやすいのではないでしょうか。

仕事率に関する問題2

【例題2】

【例題1】のモーターAを使用して、質量15㎏の物質を5m引き上げるには何秒かかるか求めなさい。なお、100g=1Nとする。

仕事率を利用して問題を解くパターンについても触れておきましょう。

問題を解くための準備

まずは先程と同じように、下準備をすることからはじめましょう。

本問では仕事が問われることになりますので、質量15㎏を換算して、150Nの力が働いていると理解をしましょう。

そして、次に、この150Nの力で5mの距離を移動させることになりますので、仕事の大きさを求めることもできるでしょう。仕事の公式にあてはめると、

150(N)×5(m)=750(J)

という形で仕事の大きさを求めることができます。

仕事率の求め方

ここまで完了すると、やっと本題です。【例題1】で導いたモーターAの仕事率は25Wでした。

この仕事率をもって、750Jの仕事をするには、どれだけの時間がかかりますか、という問題であると丁寧に読み替えることができますか?まずは、素直に仕事率の公式に代入してみましょう。求める時間をxとすると、

25(W)=750(J)÷x(s)

という形で表現できるでしょう。これができれば、残りは計算するだけです。

x(s)=750(J)÷25(W)
=30(s)

したがって、30秒というのが答えとなります。

この問題で感じていただけたと思いますが、仕事・仕事率の問題においては、「単位」がかなり厄介となります。

JとWという二つの新規の単位が出現すること、さらにはWを求めるにはJが必要であるという関係からも、混乱の種となりやすいです。

そこで、Wだけに頼らずW=J/sであると上でご説明しましたが、慣れるまではJ/sの単位を使用することで、まずはJの単位に慣れ、それがおおよそ完了した際に、Wを利用し始めるという方策をとるのも一つの定着の手段であると思われます。

各自、工夫をしながら定着を目指してください。

その他注意事項

この問題でもモーターが使用されていましたが、仕事においては、道具を利用しても、道具を使わずに手で作業がなされたとしても、仕事の大きさは変わりません。このことを「仕事の原理」と言います。言葉だけの問題ですが、しっかり覚えておきましょう。

また、この仕事の原理との関係で、例えば、滑車を使った仕事などが出題されることになります(章を改めてご説明します)

さいごに

夏休みの宿題として、ドリルを40頁しなければならないとしましょう。これを毎日1頁ずつやって40日で終わらせるのか、夏休み最後の1日に40頁を無理矢理終わらせてしまうのか、果たしてどちらの方が良いのでしょうか。

40÷40=1の仕事率
40÷1=40の仕事率

夏休みの宿題をさも仕事率であるかのように捉えた場合には、40の仕事率の方が効率は良いようにも見えますね。

しかし、実際に二つの夏休みを比較した時に、どちらの方がしっかりと効率よく勉強できていると言えるでしょうか。

今回学習した「仕事率」というものは、あくまでも物理の世界における効率について焦点をあてたものです。

単位に不慣れであるという部分さえクリアすれば、利用する公式も単純ですし、出題される問題もさほど難しいものではありません。だからと言って、テスト前日だけ勉強したとしてもその場限りをやり過ごすだけです。

毎日の積み重ねこそ、学習内容の習得にとって大切なことではないでしょうか。

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