中学受験に役立つ漢字の勉強法!100回書くのはもう古い!

漢字の学習法多くの子どもが苦手な勉強の一つが漢字です。

ひたすら漢字練習帳に漢字を書き続けた記憶のある人も多いのではないでしょうか。

筆者はノートに漢字を書き連ねて真っ黒にして喜びを感じるタイプでした。勉強している実感が持てたからですね。

でもそのやり方は非効率的かつ間違った漢字を覚えてしまう危険性もはらんでいます。

結果につながらなければ漢字への苦手意識を増幅させてしまいかねません。

特に中学受験では、学校で習った漢字以外も書かされたり読まされたりすることが多々あります。

効率的な勉強法で正しい漢字を覚え、漢字を得意分野にしましょう!

新漢字を習う5年生までの勉強

小学校で習う漢字は約1000字です。

中学受験を目指す場合は、6年生で習う漢字を含めて遅くとも6年生の初めには習い終えなければ間に合いません。

小学校の先取りになりますので、負担を感じるところですね。

漢字は正しく覚える

新しい漢字は何より正確さが重要です。一度間違えて覚えてしまうと、なかなか矯正はできません。

「正しく」とは何を表すかというと、以下の3つです。

  1. とめ・はね・はらい
  2. 画数
  3. 字のバランス

「とめ・はね・はらい」は大人になると適当に考えてしまいがちです。伝われば良いと考える人も多いと思います。

ですが中学受験ではとくに「はね」をしっかり見られています。

例えば「水」は1画目をはねますが、「木」は2画目をはねません(はねてしまったら×です)。

「木」をはねて書く人は多いのですが、実は正しくないのです。

「画数」も大人が気にしていない部分かもしれません。

「水」は何画でしょうか。3画……ではなく4画ですね。つなげ字は減点対象です。

では「様」は何画でしょうか。14画です。正しく書けているでしょうか。

これらの間違えやすい画数も、始めにしっかりと正しい漢字を覚えることで間違えなくなります。

「字のバランス」が悪い漢字は、おおざっぱな男の子が書くことが多いように感じます。

縦に書いたとき、「男」なのか「田」と「力」なのか分からないというものですね。

受験の解答用紙は欄外(枠外)にはみ出して書いてしまうと減点の可能性が高いです。字を丁寧に書くというのは、漢字のバランスの面から見ても大切です。

これらを解決するために、新しい漢字を書くときにはまずお手本の漢字をよく見ます。

部首や画数も確認してから、大きく丁寧に3回書きましょう。マス目のある漢字ノートなら、4マス分使ってください。

書いた字は必ずお手本と比べて見ます。大きく書くことで、正確に書けているかどうかがよく分かります。

「機」や「議」のように画数の多い漢字は大きく書くことで細部がはっきりします。

漢字の意味を理解する

漢字にはそれぞれ意味があります。訓読みにしたり熟語にしたりすると分かることが多いです。

たとえば「談」だけでは分かりにくくても、「相談」「会談」「談話」と並べてみると「話す」という意味がありそうだと気づくはずです。

ここが分かれば、たとえば「後日談」の意味が「後日の話」だと推測が立ちます。

単に一文字ずつ書き並べるだけでは、こういった推測にはつながりません。

だからこそ、漢字の練習は一文字ずつではなく、熟語や送りがな付きで練習しましょう。

新しい漢字が書いてある教材には、熟語や例文が載っていることがほとんどです。

しっかりと読むことはもちろん、ここにある熟語の意味が分からないときは必ず調べておきましょう。

語彙も増えて一石二鳥です。

応用力を鍛える子供

漢字の実践力を鍛える6年生

受験勉強をする6年生6年生からは新しい漢字を学ぶのではなく、今まで習った漢字の使い分けや正しい書き取りが中心になります。

中学受験では1000字だけでは対応できません。どこまで知識を広げられるかは、普段の勉強法によって大きく変わります。

たくさんの言葉を知る

受験生が読む文は、小学生向けの本からではなく一般書からの出題がほとんどです。なかには大人でも読めない人が多そうな漢字も多くあります。

そのため、語彙力と漢字力はセットで伸ばす必要が出てきます。

問題を解いていて分からない漢字や読めない漢字があったら必ずチェックをして、書き留めておきましょう。

分からなかった漢字や語彙を書き留めておくため、小さめのノートを作るのもおススメです。

分からなかった漢字や言葉をメモし、後で調べて書き加えます。

小さめが良いのは、テスト直前の見直しにも使うためです。模擬試験や進学塾でのテストはもちろん、受験当日にも役に立ちます。

使い分けを意識する

「コウカなプレゼントをもらった」の「コウカ」を漢字に直すと「高価」になります。

値段が高いと考えれば当たり前です。でもそれを「効果なプレゼント」と書いてしまう子も多いのが、小学生の驚くところです。

熟語だけで漢字の書き取りをさせる中学校はほぼありません。

同音異義語(以外 / 意外など)・同訓異字(熱い / 暑い / 厚いなど)も多いため、文もしくは文章の一部を書きとらせるスタイルで出題されます。

どんなにたくさんの漢字を知っていても、正しい漢字を選ぶことができなければ点数にはつながりません。

漢字は必ず使い方や意味を意識して勉強しましょう。

漢字学習は量より質!

ここまでの話で、100回同じ漢字を書くだけでは受験にも対応できないことが理解していただけたかと思います。

また、漢字は一日で覚えられるものではありません。何度も問題を繰り返し、間違え、直していくことで頭に入っていきます。

まずは正確に覚え、問題で確認、できなかったら練習し、また問題へ。その一回一回を丁寧にこなすことが漢字学習の基本です。

「急がば回れ」という言葉もありますし、毎日の漢字練習は「量より質」にこだわってみてください。応援しています。