目次
中学受験算数の本格的な対策について
全ての範囲の学習が終了した段階で、本格的に受験対策を練ることになります。
過去問に対する認識
おそらくいくつかの学校を受験されるかと思いますが、親御さんにまずしていただきたいことは、全国に散らばっている中学受験校全体像の難易度等の情報を把握することをお願い致します。
というのも、いくつかに絞った実際に受験する学校の過去問だけに照準を合わせるのでは、絶対的に過去問演習量が不足してしまうからです。
そもそも、中学受験の算数の問題は、学校ごとのカラーは多少ありますが、そこまで特異な内容が出題されることもありません。
基本的に、「全ての受験校の入試問題の算数は勉強の対象となりうる」という認識でいるべきです。
その上で、実際にお子さんが受験する学校と同ランクの学校、同じような出題傾向の学校の過去問については、現実的に受験する可能性がないものであったとしても、練習の対象としてください。
学校ごとの赤本も出版されていますが、科目ごとに全国の受験校の問題を集めた赤本も毎年度出版されています。
これを利用するのはとても大切なことです。
かつ、塾にお願いをすれば、バックナンバーを何年度分も管理しています。
ある程度講師の方と仲良くなっていれば、融通してくれることもありますので、是非ご利用下さい。
過去問の解き方
当然ながら、本番と同じタイムスジュールで解くことが大切です。「本番と同じ」とは、制限時間のことだけを言っているのではありません。
十時半から算数の試験が始まるのであれば、ご家庭で過去問を解く場合にも十時半から演習を始めて下さい。
と、かなり無理があるようにも思われるかもしれませんが、過去問を解くということは、それだけの類似性の中で、緊張感をもって実施していただきたいということです。
もちろん、自室で一人の状況で過去問を解かせるのも良くありません。親御さんが試験監督的な役割を演じつつ、しっかりと解答中には同じ空間にいるようにしてください。
というのが理想です。
あとは、時間の許す範囲で、本番さながらの練習を意識して実施していただければ問題ありません。
過去問は何回解けばよいか?
もう一つ、過去問については「何度解く必要があるのか?」という点で迷いが生まれるのではないでしょうか。
簡単なことです、一度目は確実に本番のように時間を制限して演習をしてください。
一度演習した過去問には、それぞれABCのランク付けをすることを忘れないようにしてください。
普段の勉強と同じです。
そして、二度目以降、そのランク付けに従って、それぞれの問題は普段の学習の中にシンプルな演習問題として組み込まれることになります。
<中学受験>算数の問題点
塾・学校・問題集、それぞれにおいて、問題の解答方法が違うというのも中学受験算数の問題の一つです。
例えば速さの問題に関して、数直線を利用して解答するのか、ボックスの図を描いて解答するのか、解法に様々なバリエーションがあるのが中学受験算数の特色です。
より簡易に解答までたどり着ける方法を提案することが正しいことであるという考えが蔓延しているために、体系的な学習を進めることができないという状況が多く生まれています。
そして、これらの余りある情報に左右されがちなのが親御さん自身であることが非常に多くみられます。
子どもの学習に客観的な視点を
お子さんの習熟状況や問題の難易度分析をする際には客観的な視点をもつことが大切です。
客観的な視点とは、一本筋の通った、統一的な基準のことです。一つ、何か信用できる基準を早々に作ってしまうことが大切です。
塾での算数の指導の中では、数直線は一切使わないという方針であるならば、それを完全に信用しきってしまうことです。
親御さん自身の迷いがあると、その影響はお子さんにダイレクトに反映されてしまいます。
積極的に塾の講師に相談を
以上の点を点も含めて、疑問に思われることは、全て塾・家庭教師の方に尋ねて差支えありません。
塾の講師が授業の時間外にも塾で待機しているのは、授業の草案を練るためでもありますが、このような親御さんからの問い合わせに対応するためでもあるのです。
実際にお子さんが解いたノートを手に塾を直接訪ねて、どのような観点で問題を分析すれば良いのか、どのような点でお子さんが弱点を抱えていると分析することができるかなど、どんどん積極的に問い合わせてください。
問い合わせがあると、微妙にですが授業の内容やテイストに反映されることも多くあります。
お子さんと同じ目線で
もう一点、受験を成功しているご家庭の特色は、お母さんがお子さんと一緒に日常的に問題を解いているという点を挙げることができます。
不思議なもので、親御さんがお子さんと一緒に学習を進めているご家庭におけるお子さんの算数の成績は目覚ましく素晴らしいものがあります。
初めから成績が良いということではなく、どんどんと成績が上がってくるという意味においてです。
算数と他の受験科目の違い
国語・社会・理科に関しては、「大人であることの優位性」が大きく影響を与える科目であると言えるでしょう。
これに対して、算数に関しては、年齢に関係なく素養がモノを言うとも言えます。
特に、これを読んで下さっている親御さんは、実は算数が苦手で、お子さんが解いている問題を実は全く解けないという方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
解けなくても良いのです。そのかわりに、一緒に学習してあげて下さい。
お母さんと一緒に問題を解くというだけでもお子さんは楽しいですし、お母さんが競争相手にもなります。
そして、算数に限って言えば、お子さんがお母さんよりもしっかりと正解できるという場面も多くあるはずです。
お子さんのやる気向上にもつながりますし、お母さん自身も賢くなるわけで、よりお子さんの状況を客観的に判断しやすくなるはずです。
中学受験の算数をクリアするため
問題分析、スケジューリング、一緒に歩む。
これが中学受験の算数をクリアするために親御さんがすべきことです。これを完璧にこなすために、塾や家庭教師がいるのです。
「勉強の内容はよくわからないから」という理由で塾・家庭教師に一任してしまうご家庭も多くありますし、もちろんそれは教育費の対価として当然求めるべきサービスではあるのですが、お子さんを「より合格に近付けるため」には、お子さんの周りの環境全てがお子さんにとって受験にふさわしいものでなければなりません。
その「環境」に最も含まれるべきは親御さん自身です。
大切な時間を、有効に過ごせるように、そして志望校への合格をお祈りしています。
[…] らず、じっくり、苦手な科目、単元を克服していきましょう。特に算数に関しては、中学受験の算数について!難関中学合格者が語る必勝の勉強法の記事もぜひ参考にしてみてください。 […]