有名大学の付属中学に進学するメリットとデメリット!

有名大学付属校に進学するメリットとデメリット中学受験・高校受験ともに、受験校を考える時に、ある種のユートピア存在として少なからず視野に入ってくるのが、有名大学の付属校です。

「大学までエスカレーター式で上がれる」「どうせ私学に行くなら有名大の保証つきの方が…」と考えるのが、一つの親心だと思います。

でも、その選択、メリットばかりではないかも?!

今回は、一度は志望校の候補に上がる有名大学付属中学校に焦点を当ててみましょう。

大学付きの私立校という面だけではなく、その奥にあるメリット・デメリットを知って、志望校選びの参考になさってくださいね。

さて、実際にある有名大学付属中学校の名をあげていきましょう!

筆者は関西圏在住ですので、今回は関西の付属中学校を中心にとしてお話していきたいと思います。

いわゆる偏差値の高い、有名私立大学の付属中学校は、関東関西ともに中心部に集中しています。

関東の有名大学の付属中学校

早稲田系列、慶応系列を皮切りに、明治、青山、立教、中央、法政のMARCHの各付属校、そして学習院や名門私立女子大の付属の名前があがります。

関西の有名大学の付属中学校

関西大第一、関西大中等部高等部、関西学院中等部高等部、同志社中高、同志社香里、同志社国際、同志社女子、立命館中高、立命館宇治、立命館守山、といった「関関同立」の付属校に根強い人気があります。

9割の生徒はエスカレーターで大学進学

これらの付属校の生徒たちは、9割以上の生徒たちが併設大学へ進学していきます。

それゆえ、その大学の理念やネームバリュー、校風などと、本人が合致すれば、中学から大学までの10年間、非常に良い環境でのびのびと青春時代を送ることができます。

ただ単に大学の付属校だというところではないところがミソです。有名私立大学が後ろ盾になっているのですから、過度に心配せずとも、よっぽどのことがない限り、そのネームバリューを手にするチケットがあるというのが最大の利点といえます。

なお、付属校と系列校は異なる

大学直属である付属校に対して、系列校は、経営する学校法人が別。

提携を結んでいるので、枠数内であれば、提携先の大学に優先的に入ることができますが、多くの選択肢の中の一つとして位置しています。

大学付属中学校のメリットは青春時代にしかできない充実した日々を送れること

青春時代を楽しむこの付属中学、最大の利点を軸に、メリットとデメリットを考えていきましょう。

まずメリットとしては、次のようなものを挙げることができます。

大学付属中学校のメリット

  • 厳しい受験戦争に参戦しなくてよい
  • 大学付属の充実した施設を使うことができる
  • 部活も全国レベルがゴロゴロあり、中高通して熱中することができる
  • 大学側も生徒の質を落とせないので、一定して安定した質の授業を受けることができる
  • 入試時の偏差値が高いので、地頭の良い子が揃っている
  • 受験勉強に偏らずに、じっくりと腰を据えた内容の学習を行うことができる

大学付属校ならではのメリットが揃います。

受験に偏らない充実した中高生活を過ごすことができれば、きっとそれがお子さんにとっても生涯の財産となることでしょう。

有名大学付属中学校だからこそ環境に恵まれる

特に、この多感な時期、部活動やその他の課外活動に注力できるのは、青春を謳歌し、精神的な成長を期待する意味でも大切なことです。

部活で上位を目指しているのなら、高校受験に意識を向ける中3の1年間も、無駄なく使うことができます。

お子さんの多感な時期を、勉強意外のことでも充実させてほしいと願うご家庭や、文武両道タイプのお子さんには、付属校は最良の環境だともいえるでしょう。

文武両道ができる子供の特徴

大学付属中学校のデメリットはメリットの裏返し?内部進学の仕組み

では、大学付属中学校のデメリットはどんなものが挙げられるでしょうか。

大学付属中学校のデメリット

  • 「中だるみ」が起こる
  • 系列大学の既存の学部から、進学先を選ぶことになる
  • 成績上位であれば好きな学部を選ぶことができるが、中下位だと「行ける学部」に進学する可能性がある
  • 外部受験へのサポートはほぼない、もしくは逆に不利になる学校もある
  • 留年や内部進学の基準に関して、良くも悪くも自己責任の面が多い

高校入試、大学入試というのは、ある意味で学力を確保するストッパー的な役割を持っています。

付属校では、内部進学というハードルはあるものの、外部受験よりも格段にホームな雰囲気と条件ですので、当然として、どんな子にも中だるみはおこります。

中だるみのまま、手をつけられないほど成績が落ちてしまわぬように、自分でしっかりとコントロールできるような子が合っているといえます。

有名大学に進学しやすいことが裏目に

そして、最も懸念されるのは、大学進学しやすいというメリットが裏目に出てしまうことです。

ネームバリューのある併設大学に優先的に入学することができるのはとても価値のあることなのですが、もし、お子さんが将来を詳細に描き始めた時、併設大学に思うような選択肢がなかった場合、どうしましょう。

もちろん、別の大学に進学するという選択肢もあります。

でもその場合、学校側からのサポートは受けられるでしょうか。

付属校には、外部受験の際、内部進学の権利を持ったまま受験に挑戦できる学校と、できない学校があります。

どちらが良い悪いという話ではありませんから、志望校選びの際の一つのチェックポイントとして確認しておきましょう。

付属高校でも成績が悪いと進学できない

付属校の中でも、成績が下の方にいる場合、内部進学の際には選択肢が狭くなることも知っておきましょう。

確かに、併設大学への進学権はあります。

でも、内部進学にもそれぞれの学部で枠の数が限られていますから、人気のある学部は当然ながら成績順で決まっていくことになります。

授業を受ける中学生

有名大学付属中学校にはアグレッシブで文武両道タイプのお子さんが多い

メリット・デメリットを総じて見てみると、「こんな子が合っている!」姿が見えてきます。

勉強も運動も頑張りたい、勉強も部活も両立したいというアグレッシブなお子さん、塾などのフォローがなくても自分で授業進度に合わせてきちんと課題をこなしたり勉強を進めたりできるお子さんが向いています。

実際に、そう言ったタイプのお子さんが多く入学して行っている傾向を、肌で感じられます。

部活や課外活動など、そのときしかできないことをしっかりと楽しみつつ、学校の成績は真ん中から上を狙いましょう。

そうすれば、有名大付属中学は非常に優れた環境になりえます。