中学受験に役立つ暗記のコツと科目ごとの勉強法

暗記をしながら勉強をする子供

中学受験の科目では、暗記すべき範囲が多く存在します。

このような暗記ものは、子供にとって効率的な方法で暗記させることが大切です。

実際にはどのような勉強法があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

中学受験での効率的な暗記のコツ

算数・国語・社会・理科を問わず、暗記にはコツがあります。整理してみましょう。

背景や流れをおさえること

暗記というのは、ただ覚えれば良いわけではありません。暗記項目とともに、その背景や流れをおさえる必要があります。

特に社会と理科では、背景や流れをおさえることは必須です。

歴史の年号を例に考えてみよう

有名な暗記法に「鳴くよウグイス平安京」という語呂があります。「鳴くよ」を「794」とし、794年に都が平安京に移されたことを意味します。

ここで重要なポイントは、794年に平安京が「どうなったか?」という点です。ただ794年という年号だけ覚えていても意味がありません。

794年に都が平安京に移されたという点をおさえておかないと、実際の試験問題でひっかかります。

平安京と聞いてすぐに794年という年号が頭に浮かぶことは、確かに大事です。しかし、問題文で平安京という用語が登場しただけで、実際に問われているのは別の知識かもしれません。

『ただ覚えるだけ』ではダメな理由

一例として、長岡京を例に挙げます。

平安京に遷都される10年前の784年、都は長岡京へ一度移されています。この784年という年号が、試験問題で問われているとしましょう。

その際に、問題文で平安京という用語が登場する可能性は十分ありえます。「平安京に遷都される前、都は一度長岡京へ移されたが…」といったように、問題文の一部として平安京が登場するような場合です。

もし平安京と聞いてすぐに794年という年号が頭に浮かび、問題文をよく読まずに794年と解答すると、誤りとなってしまいます。

これはわかりやすい例ですが、同じような傾向は全科目で見られます。背景や流れを考えず、ただ暗記をするだけだと、試験問題にひっかかりやすくなるのです。

背景や流れが曖昧だとすぐに忘れる

背景や流れがあいまいだと、せっかく暗記してもすぐに忘れます。

どんなに記憶力が良い子供でも、背景や流れを無視して、受験範囲全てをただ暗記することは不可能でしょう。

どのような子供でも、暗記ものを勉強させるときには、背景・流れも意識させる必要があります。

背景や流れをおさえるコツ

「今自分は何を勉強しているか?」という点を何度も意識することです。子供は勉強に慣れてくると、流れ作業のような感覚で勉強を進める場合があります。

すると、「今自分は何を勉強しているか?」という点があいまいになり、一度インプットしても、それを適切にアウトプットすることが難しくなります。

先ほど例に挙げた平安京をもう一度考えてみましょう。なんとなく勉強を進めて794年という年号を覚えても、794年に平安京がどうなったかという点があいまいだと、問題でひっかかりやすくなります。

これは、せっかく覚えた794年という年号が、適切にアウトプットできていない状況です。

「今自分は何を勉強しているか?」を平安京の例に当てはめると、以下のようになります。

  • 今、自分は遷都の勉強をしている。
  • 784年に、都は一度長岡京へ移された(遷都)。しかしうまくいかなかった。
  • そこで794年、再度遷都が行われ、都は平安京へ移された(遷都)。

これら全ての段階で、「遷都」というキーワードが含まれています。これが、「今自分は何を勉強しているか?」の部分です。

このような点を、子供に意識させることが大切です。

背景・流れを覚えているかチェックする方法

例えば、ある程度勉強が進んだ子供に「都が平安京に移ったのは?」と聞くと、794年と答えられるでしょう。しかし、これだけでは、平安京と聞いて794年と答えているだけかもしれません。

そこで、「794年に何があった?」と聞いてみましょう。その際に、平安京という用語は答えられても、平安京が「どうなったか?」という部分があいまいであれば、背景・流れを把握していないおそれがあります。

きちんと「都が移された」「遷都」という点も答えられることが、背景・流れをつかんでいる証拠です。

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具体的な暗記の方法

具体的な暗記方法とは

ここまで、暗記のコツとして、背景・流れをおさえる勉強法についてご紹介しました。

このことを踏まえ、具体的な暗記法を考えてみましょう。

語呂合わせ

語呂合わせは賛否両論あるかと思いますが、暗記法としては十分に効果的な方法です。特に中学受験をする子供にとっては、一番親しみやすい方法とも言えるでしょう。

有名な語呂合わせに加え、オリジナルの語呂合わせも活用できれば、さらに記憶に残りやすくなります。

覚える方法には制限はない

暗記はどのような形であれ、背景・流れとともに暗記項目を覚える必要がありますが、覚えるという一点だけを見れば、方法に制限はありません。語呂合わせでも覚えられさえすれば、効果があります。

先ほど例に挙げた「鳴くよウグイス平安京」など、聞いたことがある方・覚えている方は多いでしょう。これは、語呂のインパクトが強いからです。記憶に残るという点では、語呂合わせは十分に効果的なのです。

もちろん、背景・流れとともに覚えることは大前提です。

暗記カード

暗記カードは英単語をイメージする方が多いかと思いますが、中学受験でも効果があります。

公式、漢字、年号、用語など、暗記カードにまとめておくと良いでしょう。

いつでもチェックできる

暗記カードの最大の利点は、いつでもどこでもチェックできることです。ちょっとした時間で知識をチェックしたい場合、重い教材を持ち運ぶよりも効率的です。

集中しやすい

時間が限られると集中しやすくなります。そこで手軽に見れる暗記カードを利用すれば、高い集中力で暗記することができます。

愛着がわく

また、子供が自分で作成した暗記カードは、子供によって愛着度が高いです。もちろん、親と一緒に作成した暗記カード、親が作成した暗記カードも、親が手伝ってくれたという気持ちが生まれると愛着度が高いでしょう。

教材への愛着度は意外に重要なポイントで、暗記カードにも当てはまります。暗記カードへの愛着度が高ければ、それだけ暗記も進みやすい傾向があります。

暗記カードの注意点

暗記カードの注意点は、作成に時間をかけすぎないことです。時間をかけて暗記カードを作成しても、そのせいで暗記する時間が減ってしまえば効果がありません。

また、子供が暗記カードを作成するケースで、作成に時間をかけすぎると、子供にとって作成することが目的となるおそれがあります。そうなると、暗記はなかなか進みません。

他の勉強とのバランスも考え、なるべく短時間で暗記カードを作成することが大切です。

ノートに書く

暗記項目をひたすらノートに書くことも、効果があります。社会と理科の用語、算数の公式、国語の漢字などは、実際に書き続けると記憶に残ります。ただし、ここでも注意点があります。

作業にしないこと

書き続けるという作業は、感覚としては流れ作業になりやすいです。ひたすら書いても、最終的に暗記できていないという事態は、絶対に避けなくてはなりません。きちんと暗記するには、書きながら背景・流れを意識することが特に重要です。

何を勉強しているかを意識させること

「今自分は何を勉強しているか?」という点をふまえ、「今自分は何を書き、何を覚えようとしているか?」という点を子供に意識させる必要があります。ただ書かせるだけでは子供にとって負担が大きいので、十分に注意しなくてはなりません。

絶対に無理をさせず、あくまで暗記方法の一つとして考えるべきです。

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科目ごとの暗記の勉強法

科目ごとの暗記勉強法とは

ここまでご紹介した暗記のポイントや暗記法は、算数・国語・社会・理科の4科目に共通する重要なポイントです。そのうえで、それぞれの科目ごとに勉強法があります。

算数

算数の暗記は公式のほか、円周率、2乗計算や累乗計算、倍数、約数、平方数などがあります。公式の暗記や円周率は、ある程度受験勉強が進んだ子供であれば、実践しているケースが多いでしょう。

一方で、受験する中学校の難易度によっては、平方数などもあらかじめ暗記しておいた方が好ましい場合があります。

これらを暗記しておけば、時間短縮につながるからです。ただし、2乗計算・累乗計算、平方数などは、間違って覚えてしまうと危険です。最初から普通に計算しておけばよかったといった事態は絶対に避けなくてはなりません。

他の暗記事項で大変な状況であれば、計算力を高める方に時間を使うべきです。

また、特に公式の暗記は、きちんと背景を考えましょう。速さや特殊算など、「なぜそうなるのか?」の部分を考えて暗記しないと、すぐに忘れてしまいます。反対に、「なぜそうなるのか?」を理解すれば、自然に公式も暗記しやすくなります。

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国語

国語の暗記は、漢字の読み書き、慣用句やことわざ、語句、知識問題などが挙げられます。これらは背景・流れというよりは、そのまま暗記できる分野と言えるでしょう。

一方で、関連事項も合わせて覚えると効果的です。例えば漢字の読み書きなどは、同じ漢字が使用されているものどうしを整理しておくことで、効率的な暗記が可能です。

覚えにくい漢字をそのまま暗記するよりも、漢字ごとの音読み・訓読み、漢字のつくり、部首なども合わせ、暗記することが大切です。

ただ暗記するだけではダメという点は、背景・流れを一緒におさえておく暗記事項と同じです。

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社会

社会は、地理・歴史・公民の3分野や時事問題が出題されます。理科と並び、非常に暗記項目が多い科目なので、効率よく進めなくてはなりません。

先ほども例に挙げたように、特に歴史の年号がやっかいです。それぞれの出来事の流れや関連事項をおさえ、主要な年号を暗記しておかなくてはなりません。

また、主要な年号を知っておくことは、年号が問われる問題に限らず、歴史の問題全体で活かすことができます。

年号や出来事名の暗記は、年表や資料集などを活用し、背景・流れや関連事項を整理しておくことが大切です。背景・流れを知っておけば、それだけ記憶に残りやすいです。

地理や公民の暗記項目も、資料集の活用が重要です。地理は特に視覚的に覚えやすいので、地図・地形図などが多く記載されている資料集の活用が効果的です。特産物も地図とともに暗記すると、知識とともに地理感覚が備わり、応用力が身につきます。

また、公民は子どもにとってイメージが浮かびにくい分野が多いです。その際には資料集の図を活用し、なるべく視覚的に暗記させることが大切です。例えば国の機関名などは、図から暗記した方が効果があります。

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理科

理科は、生物・地学・化学・物理の4分野です。このうち、特に暗記項目が多い分野は生物と地学です。

特に生物は非常に暗記項目が多く、いかに効率よく進めるかがカギです。植物・昆虫や人体など、それぞれの特徴を覚えなくてはなりません。

資料集を活用して視覚的に覚えるなど、とにかく記憶に残すことが重要です。

理科は視覚的に覚えやすい科目とも言えます。これは生物に限った話ではなく、地学・化学・物理にも言えることです。理科の資料集には図がたくさん載っているため、生物の特徴や天体など、図から視覚的に暗記しやすくなります。

そのため、ただ用語を暗記させるのではなく、資料集を活用して視覚的にイメージを膨らませ、暗記させることが大切です。

また、資料集は関連知識も豊富に記載されているので、他と関連づけて覚えやすくなります。

このことは、暗記に必要な背景・流れをおさえることにつながります。

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暗記を作業にせずに楽しめるものにしよう

中学受験をする子供にとっては、暗記は単純でつまらない作業になりがちです。

しかし、背景・流れを意識させることや、語呂合わせ・暗記カードといった暗記法を実践させると、暗記に対するやる気が変わります。

何より、子供にとっても勉強する楽しみが増えます。

背景・流れを意識させるだけでも、単純作業だった暗記におもしろみが加わり、子供のやる気につながります。「なぜそうなるのか?」「どうなったか?」といった部分を理解することは、勉強の楽しみの一つだからです。

また、科目ごとのポイントに分け、暗記させることも大切です。

背景・流れを意識させることや、語呂合わせ・暗記カードなどの暗記法を検討しつつ、それぞれの科目に沿ったペースで実践させてみてください。

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