義両親との同居と子育てに悩んでいるママへ

ママ自身も心がけたい!“我慢”と“指摘”の境界線

また、同居は簡単には解消できない場合がほとんどです。

ネットなどでよく見かける「二世帯住宅にしてトラブル回避」といった解決策は、たしかに理想ではありますが現実的ではない場合が多いでしょう。

これからも長く続く同居だからこそ、ママ自身も心がけておいた方が良いことがあります。

それは、「“我慢”をする部分と、きちんと祖父母に伝えたい“指摘”をする部分の境界線をもっておく」ということです。

噛み砕いて述べると、「譲れる部分とそうでない(譲れない)部分」といった言い方になるでしょうか。具体的に見ていきます。

子どもにも伝えたい大切な姿勢

「同居が嫌だ」と感じてしまうと、つい祖父母に口を出されたり祖父母が子どもにすることに対して、何でもネガティブな意識が先に向いてしまう場合もありますよね。

しかし、ここにはママが「“祖父母のすることだから”イヤ」と、“言動”ではなく“それをする人”に対しての嫌悪感・ネガティブな先入観が入ってしまっていませんか?

子育ての考え方が違っても、祖父母は悪意でもって子どもに何かをしているわけではありませんよね。

昔の子育て、自分たちがしてきた子育てを、孫にもしているだけの場合もあります。「すぐにお菓子をあげてしまう」等の勝手な行為も、孫が可愛いがゆえのことがほとんどです。

ママが「またお義母さんは私の気に食わないやり方を…」と思ってしまう気持ちもわかりますが、一度冷静になって考えてみましょう。

人それぞれ考え方は異なりますし、納得がいかないことも含めて先輩から学べることがあるのも事実です。それは家庭内だけでなく、どの社会でも同じです。

「いろんな考え方がある」ということに納得をしたり、育児の先輩である祖父母が我が子にしていることに対して、とりあえず一旦は「ありがとう」・「助かります」といった姿勢で敬意を払う。ママのこうした姿勢は、(それを見ている)子どもにとっても大切な社会勉強になります。

すべてに従う必要は無い

はじめの項目で「ママは我慢ばかりしなくても良い」とお伝えしましたが、「ばかり」という部分がポイントです。

ママが一人で抱え込んでしまうのはもちろん精神面でも子ども・家族にとっても良くないのですが、上記のように「祖父母も良かれと思って」・「私とはやり方が違う場合もある」とある程度は折り合いをつけて“我慢”をする場面も必要でしょう。

祖父母に限らず夫婦でも親子でも、多少の我慢や考え方の転換は必要ですよね。

しかし、子育てをしていく上で、どうしても我慢ができない、「(祖父母に)こちらに合わせて欲しい」と願う場面も出てくるでしょう。

例えば、先の「すぐにお菓子をあげる」という例では、「その“気持ち”は理解(我慢)できても、度を超える“行為”には我慢ができない、改めて欲しい」といった感じです。

また、嫁として母親として「至っていない」と祖父母が感じた場面を指摘されるシーンもあるかと思います。

しかし、そんな際にも「“言われること”は仕方ないけれど、“言い方(きつい等)”や“言う場面(子どもの前で叱責等)”は改めて欲しい」という場合もあるでしょう。

このように、ママ自身が気持ちに折り合いをつけることが大切な反面、祖父母にもきちんと気持ちや子どもへの影響はわかってもらいたいですよね。

冷静に客観的に伝える方が良い

パパに相談をして皆で話し合いの場を設けれると理想ですが(義両親には二人の実子であるパパの方が言いやすい・義両親も受け入れやすい場合が多いですね)、パパが応じてくれない場合等には、残念ですがママが一人で祖父母に“指摘”をする必要があります。

“指摘”、というと偉そうに感じる場合には、“お願い”という考え方でも良いでしょう。

また、伝える際には一応人生の先輩に対してですので、今後の関係も考えて“お願い”のスタンスで行くのがベターです。

この際、衝突を避けるためにおすすめなのが、「冷静に客観的に伝える」という方法です。

「専門家からのアドバイス」と伝える

たとえば、先のお菓子の話や、昔と今の育児方針の移り変わり(昔は早期に白湯を飲ませたが今はしない、等)について、単に「やめてください」と言ってしまうと祖父母を刺激してしまう場合もあります。

「今はこうなんですよ」とママが自分を主体に言ってしまうのも、気難しい相手であれば逆効果です。

「先日健診で…」・「小児科の先生が…」といったように「専門家からのアドバイスで、こうしようと思います」という方法が祖父母にも一番スムーズに伝わるようです。

冷静にお願いすることも大切

また、いろいろな考え方はあると理解しつつもママがやめてほしいことに対しては、「お菓子をあげないでください」というよりも、冷静に理由を添えてお願いしてみるのが良いでしょう。

まずは子どもを思ってくれたことに対してお礼を伝えるとともに、「手作りの薄味に慣れさせたいのでご協力いただけますか?」・「夕食をしっかり食べて欲しいので少し控えめにしていただけると助かります」といった冷静な伝え方を心がけてみてください。

両者の納得できる方法を考え折り合いをつけよう

また、お菓子の例だと、祖父母は「孫の喜ぶ顔を見たい」という場合が多いですよね。

祖父母は「お菓子をあげたい」のです。

でも、ママはチョコレートや濃い味のもの・多量のものは与えたくない…。

そんな場合には、ママがお菓子を予め選定して買っておき、「○時になったらこの中から2つ選んであげてもらえませんか?」と頼んでみることで、お互いの望みに折り合いをつけることができます。

事前に「おやつは2つ。おじいちゃんたちに“もっとちょうだい”は言わないよ。お約束できる?」と子どもと約束をしておくのも良いでしょう。

祖父母が味の濃いものを買ってきてしまったら、「今日は特別な日ね」と“その日だけOKにする”などで衝突を回避できます。また、その後子どものいない場で、祖父母にお願いをしておくと良いですね。

お互い譲り合う気持ちを持てるよう、まずはママから努めてみるのがおすすめです。

一方、なんでも子どもを巻き込むと、子どもにも負担が大きくなってしまいます。

しかし食べること・着替えること・宿題など子どもの課題・寝る時間、など、子ども自身が身につけていかなければならない力については、時には祖父母の目の前で子どもときちんと約束をすることが、家族間での約束にもなるのです。