漫画でも勉強になる!?漫画の上手な活用法!

漫画を読む子供たち漫画は好きですか?と聞かれたら、多くの場合はイエスと答えるでしょう。

漫画は大人から子どもにまで愛され、日本の文化の一片を担っているといっても過言ではありません。

そして2019年にはイギリスの大英博物館で大規模な漫画展が行われるなど、漫画は世界にでも認められつつあります。

しかし漫画を読んでいると、「漫画はやめて本を読みなさい」と言われたり、言ったりした経験はありませんか。

漫画は勉強には良くないと考える親御さんも多くいるのも事実です。

漫画は本当に勉強の邪魔になる「悪者」なのでしょうか。

教諭経験を通して、漫画は勉強に活用できるのか、漫画と勉学の関係について一緒に見ていきましょう。

漫画と学力の関係性

最近読んだ本はありますか。

そう問われてすぐに答えが思い浮かばない人も多いかもしれません。

今はインターネットも普及し、新聞や本を読む人も減ってきたように感じます。

本を読むことは、様々な面で私たちの生活を豊かにしてくれます。

本を読めば言葉を知り、知識を得、考える力を養うことができます。

そうした力は自分自身を成長させ、生活をより豊かなものにしてくれます。

「活字」に慣れることが学力全体に良い影響につながる

何より「活字」を読むことに慣れていると、文章を読むことを苦に感じなくなります。

どの勉強においても、まずは活字を読解するところから始まります。

これを怠ってしまうと、正しい知識を得ることができなかったり、問題が解けなかったりということが起こってしまいます。

漫画にも「活字」が少なからず出ています。

確かにその量は小説などの本に比べれば微々たるものかもしれません。

漫画でもいいので「活字」に触れる機会を作ってあげることで、学力全体にもよい影響を与えることができるでしょう。

漫画でも勉強になるの?!

ここで、筆者が教員をしていて出会った男の子の話をしたいと思います。

彼は全体の成績を見れば学年で平均かその少し上くらいでした。

とりわけ何か目立つようなタイプではありませんでした。

しかし、ある時、国語の点数が良くなりました。

なぜなのか疑問に思っていると、国語を担当している先生がその秘密を教えてくださいました。

それは、「漢文」が得意だから。

古文や漢文に苦手意識を持つ子も多い中で、彼は「漢文」が得意だというのです。

漫画から得られた知識が授業やテストで役立つことがある

なぜ彼は漢文が得意かと言うと、それは「漫画」で「時代背景」や「登場人物」を知っているから、なのだそうです。

時代背景や登場人物を知っているので、授業中も分かるし、楽しい、出来るからテスト勉強も苦にならないとのこと。

実際授業では誰も分からないことでも、彼を指名すると答えられる。

なので「あの子はすごい」とクラスメイトからも尊敬されていました。

彼のように漫画から得た知識があると、授業やテストでも役立つことがあるということ、漫画がいけないということは決してないことを、確信させてくれる出来事でした。

漫画をきっかけに何か好きなものに出会ったり、考えたり、知ったりすることが出来ます。

そしてそれによって周囲に認められることは、その人に自信や希望までも与えてくれるような気がします。

新聞を読む親子

子どもと漫画の上手な付き合い方!

読書をする子供なんとなく「漫画もいいものだ」と思い始めていただけてきたでしょうか。

ここからは、その漫画とさらに上手に付き合っていくために、注意しておきたい点を挙げてみたいと思います。

漫画も本も近くに置いておく

まずは漫画や本との距離を縮めるため、子どもが手に取りやすい場所に漫画も本も一緒に置いておきましょう。

まずは、あまり読書の習慣がない子は2つが並んでいれば、漫画を選択するでしょう。

初めはそれで構いません。

まずは、紙媒体を手に取ること、活字を目にすることを大切にしましょう。

最初は漫画ばかりを読んでいるかもしれません。

しかし、一緒に置いておくと、あるときフッとした瞬間本への関心が出てきます。

全部を最初から集中して読むことが出来なくても、パラパラ読みだったとしても、「文章を目にする」ことを大切にしてあげてください。

できれば親も一緒になって本を読む時間があったり、そうした紙媒体のものを目にしている姿を近くで見せるのもよいでしょう。

また、ジャンルも幅広く用意してあげると子どもも飽きずに楽しめるのではないでしょうか。

まずは環境づくりからまずはじめてみましょう。

ダラダラと読ませない

漫画の怖いところはダラダラと読んでしまうことです。

つい話の内容に夢中になって、何となくで物語ばかりを追ってしまうと国語力は身に付きません。

じっくり、丁寧に文字と向き合うことが大切です。

もしダラダラと読んでしまうようであれば、時間を決めたり、ここまでと区切る工夫も大切です。

特に小中学生の場合は自分でもダラダラ読んでいることに気づけていないケースもあるかと思いますので、親の見守りも時に必要になります。

また、時にはやはり息抜きも必要です。

「やることをやったら漫画を読んでもOK」などのルールを決めて漫画との付き合い方を考えていきましょう。

学習漫画を取り入れる

それでも漫画に抵抗がある場合には「学習漫画」を多く取り入れてみてはいかがでしょうか。

歴史や伝記、科学、一般教養など様々なジャンルのものがあります。

また、子どもたちの好きなキャラクターを用いた学習漫画もありますので、小学校低学年くらいからでも楽しめるものもあります。

漫画を活用するのも国語力を磨く一つの手段!

漫画は「悪者」ではなく、国語力を鍛えることができるツールのひとつと言えるでしょう。

漫画の内容や取り入れ方によってはむしろ子どもにプラスになります。

ただ、漫画を与える時には実は歴史漫画かと思っていたら、かなり脚色されているものがあったり、内容がグロテスクなものもありますので注意してあげてください。

最近では学校で使われる教科書の中にも漫画で説明されている部分や、漫画仕立てに作られているものもあります。

教科書の出版社が、「なんとか教科書を開いてもらおう」と考えた結果作られたようです。

そうした教科書が作られるくらい「漫画」は現代の子ども達と密接に関わってきています。

勉強のために漫画を排除するのではなく、漫画と共に国語力を磨き、学力の向上に繋げていけるとよいのではないでしょうか。