強健 ・厳正・勤勉 という校訓のもと、個性を尊重した教育をしている中高一貫の本郷中学校。
今回は本郷中学校の学校の特色、偏差値、倍率、学費などの受験情報、そして試験の傾向と対策についてご紹介します。
目次
本郷中学校の特色
教育方針は「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」。
本郷中学独自の検定試験を実施しており、「中学入学と同時に中学校3年分の英単語データが入ったUSBメモリーを生徒1人1人に渡し、この英単語を元に「本単検」(本郷英単語基礎学力検定試験)を実施します。
また、「本数検」(本郷数学基礎学力検定試験)は、主に長期休暇後に実施して、「自学自習」を促すきっかけにもなっています。
学校の沿革
1922年に本郷中学校開校、1948年、学制改革に伴い本郷中学校を本郷高等学校と改称、その後1988年に中学校を再開しました。
施設
大きく分けて6棟に分かれる個性豊かな校舎群が立ち並び、どれも贅沢さや派手さはありませんが、自然と心が落ち着き、勉強やクラブ活動に集中することのできる充実した空間となっています。
用途が様々な机や椅子が並ぶ「ラーニング・コモンズ」という空間があります。
別に整備されている自習室とは違い、仲間と語り合ったり、問題を出し合いながら勉強できる「話せる自習室」となっています。
プレゼンテーション、グループワーク、部活動のミーティングなど生徒が自由に活用することもでき、授業でもグループ学習の場として活用されている、アクティブラーニングを象徴するスペースとなっています。
進学先
2020年度は、国公立大学79名(そのうち東京大学は8名)、慶應義塾大学74名、早稲田大学136名、上智大学28名が現役で合格しています。(そのうち医学系大学へは32名)
学校周辺の環境
駒込と巣鴨の二駅を使え、駒込側は高級住宅街の静けさと古き昭和の香りが残る街、巣鴨側は風情のあるお店が点在しているという環境に学校があります。
アクセス
- JR山手線・都営地下鉄三田線 巣鴨駅より徒歩3分
- JR山手線・営団地下鉄南北線 駒込駅より徒歩7分
学校生活とカリキュラム
6年間の学習内容を5年間で修了。
高校3年次を丸ごと大学受験の準備にあてられるよう、中学から数学・英語・国語を中心に、理科・社会も一部「先取り授業」を実施。
また中学課程の基礎学力の定着を図るために、数学・英語の基礎学力試験が、定期的に実施されます。
これは、既習事項の積み残しがないかを自己確認し、生徒各自が弱点補強をするきっかけを与えるためです。
朝は、10分間の「朝読書」があり、読解力を養うとともに授業への集中力を高めています。
行事と部活動
約35の部・同好会があります。運動部では関東大会や都大会常連のラグビー部をはじめ、サッカー部、バスケット部、テニス部、バトミントン部、文化部では日本物理学会主催のJr.セッション優秀賞を受賞した科学部、「こち亀」の作者秋本治氏によって創設された漫画劇画部、マイコン部などが活発です。
行事は、学年縦割で行われる体育祭、修学旅行(中3京都・奈良。高2関西・四国)ではテーマ学習を行い、調査や取材に取り組みます。
そのほか、本郷祭、マラソン大会、寒稽古(柔・剣道)、百人一首大会などがあります。
本郷中学校の受験情報
試験日と募集人数
試験日 | 募集人数 |
第1回:2021年2月1日 | 100名 |
第2回:2021年2月2日 | 140名 |
第3回:2021年2月5日 | 40名 |
※面接試験の実施はありません
試験科目と配点
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 50分 | 100点 |
社会 | 40分 | 75点 |
理科 | 40分 | 75点 |
※複数回受験の優遇措置…繰り上げ合格の際に優先あり。
偏差値
本郷中学校の偏差値は80偏差値でみると次の通りです。
- 第1回:59
- 第2回:62
- 第3回:63
倍率
2020年度の実質倍率は次の通りです。
第1回 | 第2回 | 第3回 | |
募集人数 | 100名 | 140名 | 40名 |
受験者 | 452名 | 976名 | 473名 |
合格者 | 166名 | 500名 | 50名 |
受験倍率 | 2.7倍 | 2.0倍 | 9.5倍 |
本郷中学校の学費
入学手続きおよび入学後の学費一覧です。初年度は1,055,600円必要になります。
入学金 | 245,000円 |
授業料 | 402,000円 |
教育充実費 | 126,000円 |
その他 | 282,600円 |
本郷中学校の入試問題と対策
算数
大問が5~7題の形式です。大問1、2が計算問題や小問集合、大問3以降に応用問題という問題構成です。
数の性質、数列・規則性、割合、還元算、旅人算、平面図形・立体図形などが頻繁に出題されています。
応用問題では「特珠算」「図形」「グラフ」が出題されます。
解答用紙には、答えのみの記入で、考え方や途中式を記入する欄がありませんので、計算ミスのないよう日頃から訓練しておくことが大切です。
国語
大問3題という出題形式です。小説文と論説文、漢字の問題という問題構成です。
解答形式は選択や抜き出し、適語補充が中心で、記述もあります。なかでも「抜き出し問題」が数多く出題されますので、本文を読む前に設問に目を通し、解答の目処をつけながら読み進めていくと良いでしょう。
本文や設問にラインを引きながら解く方法も効果的です。
過去問等の問題を多くこなすなど、抜き出し問題の対策をしておきましょう。
社会
大問3題という出題形式です。各分野から1題ずつ出題されます。
解答形式は、正誤や記号選択、用語記入です。設問数が50問と多く、正確にスピーディに解くことが要求されます。
適語記入問題が中心的に出題されるので、人物名・地名・出来事など、日頃から漢字で正確に書けるようにしておき、基本的な知識は確実に定着させておきましょう。
リード文、図や資料に沿っての設問が出されます。図や資料からの読み取り問題に慣れておきましょう。
理科
大問4題という出題形式です。25~30程度の設問数で、各分野からバランスよく出題されます。
物理は滑車・ばね・浮力に関する計算問題、生物は実験や観察をもとにした問題、化学は中和反応、地学は気象現象・天体観測などのデータを読み取る問題が頻繁に出題されます。
どの分野でも、基礎的な知識が定着させておくこと、計算問題はさまざまな解法パターンの把握、リード文やデータから適切な情報を読み取る能力をつけておくことが大切です。問題演習・過去問等で対策することが重要です。
また、気象現象については、その年のニュースとなるような気象などが設問に含まれる場合もあるため、日頃からチェックしておきましょう。
過去問
本郷中学校合格のために必要なこと
基本的な知識を確実に定着させておき、過去問を何度も繰り返し解き、時間配分やコツをつかんでおくことです。
本郷中学のホームページに過去問と解答があるので、しっかりと対策をたてておきましょう。
本郷中学校は入試日が3回ありますが、複数回受験した場合は、繰り上げ合格の際に優先するという優遇措置があります。