中学受験で難関校を目指す家庭に必要な8つの覚悟

どの学校を受験するとしても、中学受験はそもそも厳しいものです。そして、その中でも偏差値の高い難関校を目指すのであれば、その厳しさは更に激しいものとなります。

公立中学に進学しないというイレギュラーな選択をする以上、そこには数々のデメリットが存在し、それを避けることはできない以上、ある種の覚悟が必要とされます。

本格的な中学受験塾で教鞭も執っていましたし、筆者自身、灘や東大寺学園など難関校と呼ばれる中学にも合格をしています。それらの経験から見えた必要な覚悟についてご紹介します。

難関校を目指すために必要な覚悟

1.子どもに犠牲を強いる覚悟

それぞれの子供の主観にもよりますが、基本的に難関校と言われる学校に合格していく子どもたちにとっては、様々なプレッシャーやストレスとの対峙、勉強だけの生活になる、このような状況は当たり前のことです。

どの程度の取り組みをするのか、それぞれのご家庭の御意向はあるでしょうが、様々な不具合を子どもに強いることが中学受験です。

バランスを取りながらできる範囲で受験をすれば良いというのであればこれらは問題となりませんが、できるだけ偏差値の高い学校を希望し、あるいは最難関と言われる中学に合格したいのであれば、「バランス良く」というような逃げ道は基本的に作ってはいけません。

本気で偏差値の高い難関中学を目指すのであれば、子どもに犠牲を強いることは覚悟しなければなりません。

2.子どもを絶対にフォローするという覚悟

性質上絶対に子どもに犠牲が生まれるのが中学受験ですから、その犠牲を負わせる覚悟が必要なのは上述の通りです。それと並行して、その犠牲を負うお子さんを絶対にフォローしきるだけの覚悟を親御さんには同時に持っていただかなければなりません。

親御さんにも仕事があったり、家事があったり、その他諸々の庶務があるのは承知しています。が、どれだけ親御さんが厳しい状況に置かれているとしても、お子さんに不安を与えてはいけませんし、お子さんが常に最上位の優先順位を与えられなければなりません。

中学受験をするという選択は、お子さん個人でするものではありませんよね。中学受験をしたいからする、という進歩的な小学生は少ないでしょう。確実に何処かの段階で、親の意向が反映されているはずです。

それならば、どのような状況であったとしても、お子さんが快適に勉強できるための環境作り等、必要なことは全て最優先にするという覚悟をお持ちください。

そして偏差値の高い難関中学を目指す家庭ほど、中学受験をする子供の優先度が何よりも高いことを理解ください。

3.中学受験をやりきる覚悟

塾講師をしている経験から見えることなのですが、中学受験では親御さんが抱えるストレスがかなり多いようです。

他の生徒さんとの比較などから受けるストレスもあるようですが、それよりも、ご家庭の雰囲気や夫婦間の意見の相違、あるいは金銭的な問題など、かなりデリケートな問題も当たり前のように噴出することになります。

そして、中には、そのような問題からお子さんが中学受験を断念するという状況に追い込まれる様子も多く目にしてきました。

過酷な中学受験から解放されるのだから、それはそれで良いのでは?と思われるかもしれませんが、それは大間違いです。一度、本格的に始めることに決めたものを、本人の意に沿わない形で終了させられることほど、無駄なことはありません。

お子さんに中学受験をさせ、かつ、偏差値の高い学校を目指すという選択をするのであれば、このようなデリケートな問題をも含め、親御さんがしっかりと中学受験を最後までやりきる覚悟が必要です。

4.偏差値の高い中学を目指すほど必要となる教育費

塾代、受験代、私立中学の入学金、初年度の学費。おそらくかなりの金銭的な負担が生まれることになるでしょう。

いくつかの学校を受験するのが当たり前の中学受験です。特に偏差値の高い中学を狙う場合には、これらの教育費は高くなる傾向にあります。金銭的な覚悟必要なのは勿論なのですが、本気度が高い家庭ほど掛かる費用も大きいのです。

現実的にいくつもある問題のうち、特に切迫するのが金銭問題でしょうから、余程の経済的な余裕がある場合でない限り、事前に計画的である必要があるでしょう。

5.自身でどうすることもできないストレスへの対応

中学受験をするのはお母さんでありません。小学生の子供です。つまり「勉強するのは本人、親はそれを応援するだけ」ということから、どうしても親御さん自身でどうすることもできない「ストレス」が生まれてしまいます。

子供の成績が十分に上がらない、ライバルに置いていかれる、ママ友との牽制的な会話、非協力的な父親などお母さんがストレスを感じられることが数多く存在します。

絶対にどのお母さんも、ストレスと無縁というわけにはいきません。そしてそのストレスは自分で解決できるものだけはありません。ストレスをコントロールをする力が必要です。

6.子供をストレスのはけ口にしない事

一般的に、中学受験でお子さんにかなりの時間寄り添うのはお母さんです。「お母さんとお子さんで二人三脚」という状況が生まれます。通常お父さんは仕事をしているでしょう。したがって、父親とお子さんの距離はどうしても生まれてしまいます。

そして、ご家庭が受験中心になることによって、母親とお子さんの距離が特に密接になるという現象が生まれます。

さて、このようなとき、特に受験に関連した不安やストレスを母親は誰にぶつけたくなるでしょうか?パートナーである父親との間で解決できれば良いのですがそうでない場合、母親がストレスの内容をお子さんに直接的にぶつけてしまうという状況が生まれてしまいます。

もちろん、お子さんの成長を主眼にしっかりと置いているのであれば、叱責すると言う行為が意味をもつことはあるでしょう。全く叱らないというのも不自然な話です。

しかし、親のストレスのはけ口になる可能性が確実に存在しますし、そのような事象が現実に多く生まれています。自分には関係のない話であると思わないで下さい。どの親御さんも孕む危険性なのです。

それを意識した上で、絶対にお子さんの前では冷静な対応であり続ける覚悟を持っていただきたいと思います。

7.小学校と上手く付き合い、我慢をする覚悟

公立小学校の先生の中には中学受験に対して懐疑的な方もいらっしゃいます。

講師をしていて話を聞くところによると、親御さんの中には、例えばPTAを無理やり押しつけられたり、お子さんが学級委員を押しつけられたりといったような「嫌がらせ」めいたような行為を受けるというようなこともあるようです。

もちろん、第一義的にはお子さんが大切にすべきは公立小学校での生活ではあるのですが、どうしても中学受験を本格的に行うことになると、公立小学校での行事などが邪魔に感じることもあるでしょう。実際に、時間的・体力的なことから、弊害を生みだすという言い方をすることはできるかもしれません。

しかし、弊害となりうるからと言って、それと直接的にやりあってしまって、結果として不合理な負担を余計に強いられることになっては最悪でしょう。また、調査書を作っていただかなければなりませんし、中学受験をするには、何かしらの意味で小学校との関係を絶つことはできないのです。

したがって、小学校との付き合い方は「上手」に行うようにしてください。協力的な先生であればしっかりと感謝の意を述べる必要があるでしょうし、あまり良いニュアンスを受け取ることができない先生であったとしても、抗戦的になってはいけません。

お子さんのために、ある程度の我慢をする覚悟を持っていただく必要があります。

8.不合格になるかもしれない、という覚悟

どれだけ頑張ったとしても、一回勝負の受験ですから、そこには当然合否という結果が待ち受けています。どれだけ優秀なお子さんであったとしても、試験本番に失敗をしてしまうということもよくあります。偏差値の高い難関中学ならなおさらでしょう。

大手進学塾で指導してきましたが、その一番上のクラスの生徒が全員第一志望の中学に合格できたということはありません。残念ながら、こればかりは仕方のないことなのです。

親御さんに必要なのは、この厳しい現実があり得るということを絶対に忘れてはいけないということです。常に、意識をして下さい。「合格だけを考えていれば願いは通じる」なんて綺麗ごとは不要です。だからこそ不合格の可能性を忘れないことの意味はいくつかあります。

不合格の可能性を忘れないことの意味1~勉強のための環境作り

その意識が勉強のための環境作りをより良くするということです。リスクに対する意識を忘れてしまっては、現状に対する慣れが生まれてしまいます。慣れが生まれた環境は、厳しい中学受験には適切ではありません。適切な緊張感を常にもつために、親御さんは不合格の可能性を忘れるべきではありません。

不合格の可能性を忘れないことの意味2~不合格になった場合の布石

二つ目が、現実に不合格となったときのための布石のためです。かなり後ろ向きな理由ですが、場合によっては、公立中学に進学しなければならないという状況もありえない訳ではありません。このようなとき、それまでは有名中学に通学する優秀な子どもの親像を想像しすぎていたがあまりに、現実との落差に気持ちがついていかない可能性があります。

公立中学に進学したのち、高校受験が待ち受けているにもかかわらず、それに気持ちが全くのらないというのでは、お子さん自身もかわいそうでなりません。何より、今後過ごす公立中学での生活が、親にとって歓迎されていないという状況は、誰にとっても良い成果を生み出すものではないでしょう。

このような状態に陥らないために、ある程度、気持ち面でのリスクマネジメントをしておく必要があります。

わが子の中学受験の失敗を経て、親として学んだ事と伝えたい事

2016.04.16

偏差値の高い難関中学に合格したから安泰、ではない

中学校の生徒

中学受験の段階で人生が決定されることはありません。

中学受験がゴールであるかのような感覚を持たれる親御さんがいます。難関中学に合格したから人生が安泰、このように考える親御さんが非常に多いです。

しかし、現に人生を歩んでいる親御さんであれば、冷静になっていただければ簡単にわかるかと思いますが、中学での分岐点は、人生において一点の問題でしかないのはご理解いただけますよね?

難関中学に合格することが無駄というわけではありませんが、合格したからと言って、何かが確約されるわけではありません。その後には高校受験、大学受験が控えています。

大学に進学し、どこかに就職し、あるいは、途中で海外に行くのか、何か芸術的な方向に転身するのか、人生はかなりの可能性を秘めているものですし、それはどのお子さんにとっても同じことです。

これを絶対に忘れないでください。

偏差値の高い難関中学にトライするのであれば、生半可な気持ちではクリアすることはできません。しかし、それだけが全てではありません。俯瞰できる冷静さも持ち続けなければいけません。

中学受験で難関校を目指す意味

中学受験で難関校を目指すネガティブな側面ばかり述べてきましたが、良いこともたくさんあります。

多くの教え子たちは、楽しそうに学校生活を過ごしていますし、夢を叶えた人もたくさんいます。中には、自分の置かれた状況に疑問を感じて、いわゆるエリート街道から敢えて飛び出していくパワフルな生徒もいます。

高い壁を設定し、それにトライしたからこそ、それぞれが自分の人生をしっかり設計し、クリアしていく力を備えている、そう思っています。

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