中学受験するなら女子校、男子校、それとも共学?男女の特性から考える学校選び

中学受験した子供たち

中学受験で親御さんが学校選びをする際、「偏差値」「教育方針」は気にされますが、その次に「女子校?男子校?共学校?」と迷われるでしょう。

筆者の娘の受験でも悩みましたが、結果としては女子校へ進学しました。

受験校を選ぶ上で、女子校がいいのか、男子校がいいのか、共学校がいいのか?

男女の脳の成長メカニズム、男の子と女の子の脳の成長などを絡めて学校選びについて解説していきます。

私立中学校の現状

地域差や私立校事情によりますが、全国的に見ると、今まで女子校・男子校で貫いてきた学校が共学化しています。

学校のレベル関係なしに、超難関校である学校でも「男女共学化」に変わっているのが現状です。

「男女共学にすれば、勉強がおろそかになるのでは?」

という心配もありますが、共学校に変更しても超難関校としてレベルを保っている学校はあります。

全国的に見ると女子校・男子校を貫いている私立中学校でも、ハイレベル校は多数存在し続けています。

女の子と男の子、脳の成長の違い

私自身、子供の中学受験で様々な私立中学校の説明会に参加して、入試担当の方から説明を受けたのですが、興味深い話をしてくれた女子校がありました。

「小学校まではお子さんの学力で大きく差はありませんが、中学1年の後半以降から得意分野に差が出てきます。女の子では立体空間の理論が入りにくいという特性があります」という話でした。

ベストセラー本で「話を聞かない男、地図が読めない女」で、男女の脳の違いが紹介されていて、読まれた方もいらっしゃるでしょう。

脳には、「左脳」「右脳」と存在して、左右の脳で思考や行動などに働きかけを行います。

「左脳」は理性に対して働きかけて、概念や計算に対して動きますが、「右脳」は感性をつかさどり、平面から立体空間を組み立てる力に働きかけます。

脳の成熟は女の子の方が一歩先を行き、思春期が始まるのも先です。

男の子は遅れて中学から一気に脳の成熟スピードが早くなり、左脳と右脳についても男女差が出てきて、勉強面で得意・不得意分野が出てきます。

女子校・男子校がまだ存在する理由としては、「性別に合わせた教育が大切なのではないですか?」という理念から変更をしないということです。

女子校・男子校・共学校のメリット

女子校・男子校・共学校でのそれぞれのメリットはあります。

それぞれのメリットをみていきましょう。

女子校のメリット

  • 社会に出た時に困らないようにしつけ教育をしっかりとする
  • 女子特有の苦手分野に対しての教育がしっかりしている
  • 女子の共感力を高める教育をする
  • 自立心のある女性教育をする

私自身の経験からも言えるのですが、女子校は学年ごとで校章バッジの色が違うことや上履きの色が違うなど「横のつながり」を非常に大切にします。

これは「女性同士の共感力」を高める教育で、今の社会に欠落されていると指摘される「共感力」を養う為に導入している学校が多いです。

女の子が苦手とする「立体空間の展開理論」を女の子が飲み込みやすいように指導するのは各校でメソッドがありますが、女の子に合わせた教育方法で伸ばしてやります。

最近は、女子の社会進出も激しいので、学校行事の中で社会人になってから男性とほぼ同レベルの自立心がつくように指導していきます。

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男子校のメリット

  • 男同士での腹を割っての付き合いができる
  • 大きな間違いをしても男同士で認め合える
  • 縦のつながりが強いので、尊敬できる先輩と出会いやすい

共学では女子の目がありますが、思春期特有の大きなバカな行為をしていても、男子同士で「ダメだろう」「よくやった」とお互いを評価しあうという独特の「男の連帯感」ができやすくなります。

なお、男女校共通で言われるのが「異性の目を気にしない」ことが挙げられます。

共学校のメリット

  • 小学校時代と変わらない環境で授業が受けられる
  • 思春期の男女の考え方を飲み込みやすい
  • 異性の目を気にすることはあるが、同性同士の結束感が生まれる。

小学校時代と少し違うのは、中学進学時に思春期がスタートしていることで、恋愛面を心配される親御さんはいらっしゃいます。

お子さん目線でみると、クラスで結束して問題を解決しなければ授業が成り立たない教育プログラムもあるので、恋愛面については深く心配することはありません。

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女子校・男子校・共学校のデメリット

反対に、それぞれの学校のデメリットはあります。

女子校・男子校共通のデメリットはあるし、共学校のデメリットがあります。

女子校・男子校共通のデメリット

「卒業後、異性とのコミュケーションが取りにくい」

中高一貫校から共学の大学へ進学した際、最初に出る問題です。

女子のみ・男子のみの閉鎖的な環境で勉強や友人作りをしてきたので、大学進学後に異性との付き合い方に困る生徒さんは少なくありません。

社会人になってから男女平等の社会に対応できるように在学中に異性の学校との交流会を設けている学校が最近増えています。

共学校のデメリット

異性と一緒にいるという環境なので、どうしてもお互いを観察する目ができ、視線を気にするあまりに、思い切った行動や提案などができないお子さんが出やすい事です。

同時に異性と一緒にいるということで、思春期につきものの恋愛感情が出てきます。

学校側でも友人関係などは把握しているところはありますが、成績面で落ちた時にまず学内での恋愛関係などの確認為に呼び出されることになります。

学校選択は親とお子さんの考えが一致していることが大切

お母さんの考えが受験校決定に影響を与えるとも言われますが、見学会などで学校の様子を見て、お子さんが「ここに通いたい」と決めた学校がお子さんに取って相性のいい学校とも考えられます。

女子校・男子校・共学校の選択は親子間でそれぞれの学校のメリット・デメリットなどを理解して、考えが一致した上で決定していくことが大切です。

デメリット面にとらわれると、せっかくいい学校とのご縁が遠のくことはありますので、お子さんの意見を一番尊重してあげて、学校を選んでくださいね。