わが子の中学受験の失敗を経て、親として学んだ事と伝えたい事

子供の中学受験の失敗

数年前、子どもが中学校を受験して失敗。

今は公立の中学校に通っています。実は私が「受験に失敗した」と書けるようになったのも最近になってからで、親の方があきらめも悪く、ショックを引きずるものだと実感しています。

それに対して、当の本人である子どもの方はというと、小学校からの友達と通えるからと、毎日楽しそうに中学校へ通っています。

ただ、もし受験を経験せずに公立の中学校へ入学していたら、子どもと私の関係も少し異なっていたかもしれません。

中学受験を選択した理由

私と子どもは、公立の小学校から公立の中学校へ進む道に、わざわざ受験というハードルを置いたのです。

そのハードルを飛び越えるためには、助走が必要になり、ずいぶん前から勢いをつけるために走らせることになりました。

速く走るためには、勉強以外の持ち物を捨てさせ、寄り道をさせずにまっすぐ前に目を向けさせることが必要です。

成績が落ちれば叱咤激励し、上がれば褒める。病気にならないようにいつも以上に健康管理に努め、塾への送り迎えをする。そんな生活を送っていました。

「もし受験に失敗したら?」と考えないことはありませんでしたが、親子ともども楽観的な性格のせいか、「合格したら」の方ばかりを考えていました。

中学受験から得たもの

こう書いていくと、いろいろなものを犠牲にして受験は大変そう、と思われるかもしれませんが、親子で同じ目的のために努力することで、今までになく一体感が芽生えたように感じました。

特に6年生ともなると、小学生とはいえ難しい年頃になってきます。

そんな中でも一緒にやることがある、共通の想いで心が離れることがなく過ごせたのかもしれません。

親なら、我が子にはなるべく困難が少ない、平坦な安定した道を進んでほしいと願いますが、特に大人になるまでの間は、ハードルがあっても一緒に挑戦することができます。

中学受験というハードル

一緒に飛び越えること、もし、結果飛び越えることができなくても、そこまでの助走を一緒に走ることに意味があると思うのです。

大人になってからは、一緒にハードルを跳ぶことはできません。それまでの間にどれだけ自力で飛べるようになれるかが大切です。

我が家では残念ながら飛び越えることはできませんでしたが、人よりひとつ多くハードルに挑戦できたので、「親子のきずな」と「転んでも立ち上がること」を学んだ気がします。

もし受験に失敗したら?と子供に考えさせない

「もしも、受験に失敗したらどうしよう?」これは、子どもも親ももちろん考えることです。

しかし親は、万が一のことをしっかり考えておかなくてはなりません。

制服はいつまでに注文すれば入学式に間に合うのか?自治体から送られてくる公立中学校の入学調査票を提出し、入学説明会が合格発表よりも前にあれば、参加しておきます。

いろんなパターンを想定し、準備しておかなくてはなりません。

受験失敗の不安よりも子供には安心感を

万が一の準備は必要ですが、子どもには受験前に不安を与えないよう、あまり失敗した時のことを話さない方がよいと思います。

それよりも、「何があっても大丈夫」と安心感を与えられればベストです。

受験などのストレス時にはより必要なことだと思います。

しかし、子どもたちは塾や学校に行っている間、いろいろな期待と不安に囲まれながら生活しているので、家では「何があっても大丈夫!」と思えるような安心感を求めています。

受験失敗は終わりではない、努力は身になっている

いざ受験が終わり失敗したとしても、それで終わりではないということ、公立校に行っても努力したことはちゃんと身になっていることなどを話してあげれば十分だと思います。

子供の中学受験の失敗を通じて、受験までの間は万が一を考えさせない、受験が終わったら一緒に気持ちを切り替えることができるように努力すればよいということを学びました。

中学受験をする小学生

 受験に失敗しても子供の順応は早い

「気持ちを切り替える」と言いましたが、これは容易ではありません。

冒頭にもあるように、親である私自身は、1年経ってようやく気持ちが切り替えられたような気がしています。

ですが、幸せなことに子どもの方はすっかり公立の中学校生活に順応していると思われます。それでも子どもなりには多少の葛藤があったのかもしれませんが。

これから、高校を受験し、大学を受験し、さらに就職していくと思われる我が子ですが、どこに行ってもその場所に順応し、活躍してくれたら親としてこんな喜びはありません。

中学受験を失敗して学んだこと

中学受験を失敗して親の私が学んだのは、「ハードルは人よりも多くあってよいこと」、「子どもにとっていつも安心できる場所を与えられること」、「子どもを頼もしく思えたこと」です。

いろんな経験をせず、平坦な道を進んできた子どもが大人になった時よりも、いくつか困難を乗り越えて進んできた子どもが大人になった時の方が、自力で生きていく力量に差ができるのではないでしょうか?

これから、中学校受験をさせようというお父さん、お母さん。「もしも受験に失敗したら」と不安に思うより、一緒にハードルに挑戦する楽しさを大事にしてほしいと思います。

子供への接し方

関連リンク

中学校受験に失敗した子どものその後、、、