早期英語教育のメリットとデメリット

早期英語教育のメリットとデメリット

社会の国際化とグローバル化が進むなかで、世界の公用語としての「英語」教育の重要性はますます高まっています。

同時に、英語を母国語としない子どもたち(日本の子どもたちがまさにそうですね)に早い時期から英語を学ばせることにも注目が集まっています。

日本でも抜本的な英語教育の変革が行われます

子どもたちを取り巻く英語教育の環境は、大きく変化しようとしています。

文部科学省も英語、特にコミュニケーション能力の育成を加速させるべく、2018年から「英語で討論できる・交渉できること」をめざした実践的な英語教育へと舵を切ろうとしています。

小学校での英語活動は年齢を引き下げて3年生から必修化される予定ですし、中学校では「英語で授業を行うことを基本とする」指導方針が採用される予定です。

習い事としても人気の高い英語・英会話

英語・英会話は習い事としての人気も高く、就学前から習い事として英語教育をスタートさせることも珍しくありません。

ここ数年の子どもの習い事ランキングでは英語・英会話が1位をキープしています(ケイコとマナブ調べ)。

【習わせたいランキング】

  1. 英語・英会話
  2. 水泳
  3. 書道
  4. ピアノ
  5. そろばん

-ケイコとマナブ.net

このように広く行われている「早い時期からの英語教育」には英語習得上さまざまなメリットがあるとされています。

早期の英語教育のメリットとは、具体的にどんなものなのでしょうか?またデメリットはないのでしょうか?

早期英語教育をする3つのメリット

1.ネイティブに近い発音が身につく

外国語の発音を聞き分けて、それを聞きたままに発音できる年齢には限度があります。

これを臨界期といい、9〜10歳ごろまでの期間を指します。臨界期の子どもたちは、たとえば日本人が苦手とするLとRの発音も、わずかな違いをしっかり聞き分け、聞いたままに発音することができる、すばらしい能力を持っています。

そのため、ネイティブに近い発音を身につけるためには、早期に英語の学習をスタートさせるのが有効です。

2.英語に抵抗なく学習を始められる

臨界期の子どもの脳はよく「かわいたスポンジ」にたとえられます。

この時期に英語の学習をはじめるとスムーズにどんどん吸収することができます。

また、英語を話すことに対する抵抗感もないので、たのしく英語を話す力と聞く力を伸ばしていくことができます。

3.異文化と触れる機会が持てる

日本では、地域にもよりますが、普段の暮らしのなかで外国人と関われる機会はそう多くありません。

英語にふれることは、外国の文化に触れるきっかけにもなります。

小さい頃から自分と違う文化や考え方にふれる機会を持つことは、子どもたちにとっても貴重な経験になります。

知っておくことも大切!早期英語教育のデメリット

1.日本語の発達が遅れてしまうことも

当然のことですが、臨界期は母国語の習得においても非常に重要な時期です。

この時期に日本語でのコミュニケーションの経験を十分に積まないと、日本語の発達が遅れてしまうことがあります。

日本で暮らしていくうえで、日本語を使いこなす能力は不可欠です。

日本語でのコミュニケーションや教育の大切さを理解して、英語学習以外の時間はきちんとした日本語で子どもに接するよう心がけましょう。

2.子供に合わない可能性も

英語の早期教育は、子ども本人ではなく、親や周りの大人の意思で始まることがほとんどです。

そのため、英語に適性があればよいですが、そうではない(英語ではない他のことに適性がある、または他のことに挑戦したいと思っている)場合は、英語を嫌いになってしまう可能性もあります。

早期教育が有効なのは英語だけではありません。

スポーツや音楽など、子どもの可能性を見逃さないようにしたいですね。

3.自主性の芽を摘まない

早期の英語教育は勉強としてではなく、遊びとして楽しみながら取り組むことができます。

それでもやはり、子どもたちが自ら考えて作り出す「遊び」と、英語の習得を目的に与えられる「遊び」をイコールで結ぶことはできません。

子どもの自主性の芽を摘んでしまうことがないよう、過度に与えすぎないよう気をつける必要があります。

英語嫌いにしないためにも楽しくゆっくり始めることを心がけましょう

英語は、子どもたちが持っている可能性、活躍の場を何倍にも広げてくれる魔法のことばです。

「親の勝手な理想の押し付けで、子どもが英語嫌いに」なんてことがないよう、まずは英語を学ぶ楽しさから、ゆっくり味合わせてあげたいですね。