中学受験費用の考え方!受験マネーは子供への投資

中学受験費用の考え方

「教育にはお金がかかる」ということを認識されている上で、私立中学を受験しようというご家庭(迷われているご家庭も含め)は、たいへん教育に重きを置いていると言えるでしょう。

ただ、巷にあふれる教育コストの情報は非常に漠然としていて、あまり有効なものがないように感じます。今回は中学受験でかかる必要な費用について細かくご紹介していきます。

中学受験の費用はきちんと把握してますか?

よく新聞やニュースで、あるいはネット記事でも、「開成中学に合格するまでにかかった費用は約500万円!」などという見出しが掲載されますが、これも鵜呑みにするととんでもない勘違いをする可能性があります。

「子育て費用~子供をすべて私立に通わせた場合の総費用は5000万円!公立だと1000万円」といったものも同類と言えます。

これらの記事はあまりに大雑把で、金額の算出方法も判然としていません。記事を読み進めてみても算出の根拠が明示されていることは少なく、本当に教育にかかるコストを知りたい層には参考にならないものばかりです。より多くの読者層にアピールできるように少し大げさに見出しをつけるものも少なくありません。

また、当事者である塾なども、案外アバウトな書き方をしています。入塾をお考えの親御さんにすれば事細かに知りたい費用の詳細が、HPには大まかにしか記載されておらず、「直接教室に電話でお問い合わせください」という文面も目にすることが多いです。

親からすれば勧誘されるのが嫌なので自重してしまい、結局判らずじまいとなります。敢えて塾側が情報開示をしないことでビジネスにつなげようとする戦略なのかもしれませんが、不親切だと言わざるを得ません。

4~5年生のベースとなる中学受験費用

では、実際に中学受験をした場合にどのくらい費用が掛かるかを具体的に見ていきます。

なるべく具体的に示しますが、あくまで推定の域は出ませんので、参考として見ていただくよう先にお願いしておきます。ここでは最もオーソドックスな例で、私立中学受験で大手進学塾に通うことを前提にします。

大手は大体HPに受講料を載せていますので、それぞれ参考にしてください。ここではその中の某塾を想定し進めていきます。4年生時は国算の2科目からという方もいらっしゃいますが、最初から4科目(国算理社)選択ということでシミュレーションします。

  • 4年 28000/月(週2日授業)
  • 5年 42000/月(週3日授業)
  • 6年 45000/月(週3日授業)

上記が所属する教室での定例の授業料です。これに季節講習が加わり、年間のベースが決まります。

季節講習は受講必須

季節講習は、夏期講習で4年生なら60,000円ほど、5年生になると110,000円ほど、6年生では約160,000円と徐々に値上がりします。なお、6年生ではハイレベルのクラスになるほど講習の日数や時間が増え、その分費用も上がるというイメージです。

同様に春期講習と冬期講習もあります。費用は各々60,000円くらいで考えてみます。新4年生の春期講習から入塾したとすると、3年間で基本授業料が季節講習を合わせて191万円ほどになります。

では、節約のために季節講習を除外できるか?というと、ほぼ無理です。季節講習はそれだけで独立したメニューで構成されているように思えますが、実際は年間の授業の流れの内に組み込まれているので、これを受けないと新学期になって「授業が先に進んでしまっている」という事態になります。現実的には避けて通れないのが季節講習です。

季節講習以外のオプションも盛りだくさんです。例えば夏季合宿。早稲田アカデミーの場合は4泊5日で費用は約8.5万円です。毎年行く必要はなくても6年生のときくらいは行った方がよいという声もあります。実際、モチベーションはアップするそうです。

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模試の総額費用は10万円超え

その他の出費では「模試」があります。定期的に行なわれますが、特段の理由がなければ受けることが暗黙の了解になっています。自分の立ち位置を知るためと、校舎内でのクラス編成の材料として利用されます。

一回5千円くらいですが、6年生になると回数も増えてきます。四谷大塚の合不合判定テストは6年次で年間6回あります。

それから御三家を狙う猛者が集うサピックス・オープン模試は他塾生であってもこぞって受験します。また有名校に限られますが、学校別の模試もありますので、6年生では少なくとも年間10回以上の模試を経験することになります。

4年生で4回。5年生で6回。6年生で10回の模試を受けるとそれだけで約10万です。総額はここまで(合宿1回参加)で210万円ほどです。

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中学受験対策のために必要な6年生のオプション費用

6年生になると志望校別の講習があります。多くは日曜に組まれていますので、通常の授業とは別料金です。

早稲アカの「NN」とかサピックスの「SS」、日能研の「日特」などが有名です。基本は9月から開始ですが、春から既にその予備コースが開設されている塾もあります。

志望校が決まっている子なら受けずにはいられないでしょう。なお、これらの講習は試験に合格しないと入れない場合が殆どですので、ハイレベルの生徒が対象となることを付け加えておきます。

月額は塾によって様々ですが、およそ月3万円です。春から受講すれば約30万円。9月からなら15万円です。

9月から塾代の臨時出費が増額

平日は所属教室での授業、日曜は学校別講習ですが、もちろん土曜日も遊ばしてはくれません。

例えば不得意科目に特化した補講などを行う塾が多いようです。月1万円と見て、6年生の9月から5ヵ月で5万円です。学校別講習を9月からにして節約を図ったとしても、約20万円プラス。ここまでの総計で約230万円となります。

もちろん費用はかけようと思えばいくらでもオプションがあります。これはかなり節約をしたコースでの試算です。他にも、特に6年生の直前期は、いろいろな名目の補講や模試がありますが、この時期は多くのご家庭が懐勘定を気にしている場合ではなく、ある程度の臨時出費は容認してしまいます。

中には塾と家庭教師・個別指導を併用する方などあり、いくらでも費用をかけることが出来ます。

塾代の他に受験検定費用は10万超え!?

それから忘れてはいけないのが、検定料です。受験校数は1人平均で5~6校といわれます。

検定料の例ですが、桜蔭や開成(高校も同額)で25,000円。慶應中等部30,000円。国立の筑駒は5,000円。都立小石川で2,200円。

大半の私立校なら20,000円平均と考え、6校受験で12万円。これも大きな出費です。

また模試や学校別講習、下見などの交通費。受験日に電車の遅延に備え、受験校の傍に前泊することもありますので、宿泊費も必要になるご家庭も出てきます。

私立中学から大学受験までに必要な総コスト

受験をする子供

私立中学に入学すると、ここからは6年間学費がかかります。これはもう学校によって様々ですが、学費は3年間で250万円は考えておいた方がよさそうです。

高校入学時に改めて入学金を納める学校も多いので、この2倍の500万円が中高6年でかかる費用と想定します。

大学附属はこれよりも高いのが一般的です。例えば人気校の青山学院中等部は中学3年間で350万ほどは見ておきたいです。高等部でもほぼ同じくらいはかかり、しかも部活動費まで考えるとさらにかかります。

附属中高は大学受験がない分、部活動に打ち込む生徒が多く、強豪の運動部などは合宿や遠征試合が頻繁にありますので、HPに記載されている学費だけでは到底済みませんのでご注意ください。

附属校を志望すれば大学受験費用はゼロ

これに対して公立は中学ならほぼ費用はかかりません。高校はおよそ私立の3分の1程度と言われています。強豪運動部に入らなければ3年間で約70万円程度が平均でしょうか。

こうして見ると、同じ大学に入るなら、公立中→公立高が断然経済的なのは解りますが、微妙なのは大学附属校と一般の一貫進学校の比較です。果たしてどちらが得なのでしょうか。

大きな差はない!大学附属中高と公立一貫進学校の大学受験からみえてくる教育費用比較

上記した青学と一貫進学校の6年間の費用を比べると200~300万円ほど附属校の方が高くなります。ただし、附属は大学受験がないので、それに関連する費用が一切かかりません。私大の受験料は学部あたり約3.5万円です。本命、押さえ、チャレンジで10校(学部)受ければ30万円です。

次に予備校代も考えます。高校2年から私大専門予備校などに通った場合は季節講習など含め少なくとも180万円ほどになります。

ただし、優秀なら闇雲にたくさんの講座を受講せずにすみまので、節約は可能です。大体1講座(1科目ではない)で月額1.5万円くらいと見ておくと良いかもしれません。

国立志望だと文系でも数学などを受講しますので科目数は増えてきます。高2で50万、高3で90万くらいがベースで、それにプラスαとなります。

以上見てみると、大学附属中高と一貫進学校の費用比較はとても微妙になります。附属であれば部活・交際費を、進学校であればお子さんの成績を考慮してみてください。優秀であれば予備校費は浮かせることができますが、なかなかそうもいかないものです。

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2016.11.30

教育には口は出さずともお金は出すべき

優秀なお子さんほど教育コストがかからないものです。小中高と公立に通って、塾や予備校のお世話にもならず、市販の参考書と学校の先生のサポートだけで楽々東大や京大に合格してしまう子が実際に居るのです。ただし、こういう子は本当に例外です。

それなのに「子供なんて放っておいても、収まるところ収まるのだから金なんかかける必要はない」などという方が意外に多いので驚きます。

教育にお金を掛ける必要がないという人は、小学生が夜遅くまで塾で勉強しているのを見て「かわいそうだ。ひどい親だ」と非難する一方、小学生が夜遅くまで野球の素振りをやっている姿を見ると「エライ!将来が楽しみ!」などと賞賛する人と同じ精神構造なのではないでしょうか。勉強する子は心が汚れていて、スポーツをする子は純粋だ、とでも言いかねない勢いです。

子供には高い費用を自分で捻出するだけの経済力はありません。つまり親が「金をかける必要などない」と頑なな考えを持ってしまったら、もう子供は諦めるしかないのです。

教育費用は出し惜しみしない!

「親は関与しない。子供が自分で進路を選ぶべき」と決め込むのは結構ですが、お金だけは出してあげないと選ぶべき選択肢がなくなってしまいます。

過剰な関与もいけませんが、費用支援も含めて無関心というのは親としての責任放棄に他ならないでしょう。

誰にでも「学びたい」という欲求はあるのです。子供がそう思った時に、純粋に無償の支援をしてあげられるよう親として務められるといいですね。

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