保活は我が子の大切な第2の家庭選び!園選びでチェックしたい15のポイント

保育園の園庭新年度の保育園入園に向けて秋口から動き出す一斉入所をはじめ、我が子を保育園に預けるための園選び・保活では、「何を基準に園を選べば良いのだろう…?」とお悩みのママも多いかと思います。

それぞれのご家庭の事情や考え方でチェックするべきポイントは変わってきます。

ここでは、元保育士&我が子が保育園児のママ目線から、認可保育園、保育室、無認可保育園の保活の際チェックしたいポイントを15個ご紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

1.公立か私立か

認可保育園の場合は、まず公立と私立、と大きく2つに分類されます。

今では、公立も私立もそれぞれ各園の特色をもって運営されていることが多いですが、やはり、一般的には以下のような違いが目立ちます。

なお、保育料は認可保育園の場合は各世帯の状況に応じて自治体が決定するので、公立・私立での違いはありません。

それぞれの特色の一例

公立保育園

自治体の方針で運営され、伝統的な(同自治体内ではどの施設も似た)保育を行っている。

保育料以外の金銭負担はほぼ無い。

先生の異動がある。

私立保育園

各園の方針で運営されるため、家庭的保育を目指す園から学習や最新プログラムを取り入れる園までさまざま。

保育料以外の金銭負担も園によって大差が出る場合も。

2.自宅からの距離・日々の送迎のしやすさ

いくらさまざまなポイントを気に入っても、日々の送迎が大変であるとパパ・ママはクタクタになってしまうかもしれません。

実際の送迎ルートを通ってシミュレーションをしておく

自宅から遠すぎるのはもちろんのこと、自転車送迎で坂道ばかり、車が多い・道が細い等で最短ルートが危険、職場から近いが満員電車に不安がある等、送迎をイメージしたり実際に子どもと一緒に園前まで行くシミュレーションをしてみても良いでしょう。

送迎は、気候良く親子共に元気な日ばかりではありません。

雨や風の強い日もありますし、冬場のお迎えの時間は真っ暗です。

親子が体調に不安を感じながら通うことになる日もあるでしょう。

毎日何年も通う場所だからこそ、送迎の面も視野に入れて考えたいですね。

3.保育園の規模

保育園には、数百人の子どもが集まる大規模園から、定員5名~19名程の家庭的保育・小規模保育園と呼ばれる(マンションの一室等に保育室を設置している場合も)小さな園まで、規模はさまざまです。

それぞれメリット・デメリットはありますし、親の好みも分かれるところかと思います。

大規模、小規模保育園の特徴

認可保育園は各年齢の子どもの人数に対して保育士を必要数配置しています。

「規模が大きくなると手薄になるのでは?」といった不安は不要ですが、それでもやはり一般的には「大規模は集団の中で育つ基礎ができ、小規模はアットホームな環境」という見方ができるでしょう。

余裕があれば、一度大規模・小規模各園を1箇所ずつでも見学され、雰囲気の違いや我が子に合いそうな環境を考えられてみても良いですね。

4.保育料以外にかかるお金

先にも触れましたが、認可保育園では保育料は自治体が決定するためどの園も同じです。

しかし、保育料以外にも、各園でお金がかかるポイントがあるケースも多いのです。

こちらは園の方針によって費用はさまざまです。

保育料以外に費用発生するケース例

  • 教育・プログラム(英会話・体操・絵画指導等)
  • 教材(上プログラムや、園で決まった絵本やお道具箱を購入する等)
  • 被服(制服・スモック・体操服等)
  • リース(布団等)
  • 日用使用品(紙オムツ・粉ミルク等を園側で用意している場合等)
  • 保護者会活動

一般的には、日々の持ち物は「少なく」導入プログラムが「多い」ほど、費用は「高く」なります。(「 」内をすべて反転させると逆も言えます。)

園で一括で費用が決まっている場合から、各家庭必要な項目だけ選んでいく(課外活動の選択・布団を持参かリースか選べる、等)場合まで園によってさまざまです。

毎月の保育料以外に費用が発生するか事前に下調べが必要です。

5.持ち物や準備物

前述したように、毎日オムツや哺乳瓶をたくさん持参する必要のある園から、ほぼ持ち物不要で登園できる園までさまざまです。

特に、兄弟がいる場合や遠方通園予定の場合には、お昼寝布団の用意の有無や持ち帰り頻度を気にされる方は多いです。

準備しておくものを事前にリサーチ

また、食事用のエプロン等の手作り指定があったり、オムツはすべて布、トイレがまだできない段階から幼児パンツを用意するように、といった事前準備や日々の洗濯が大変となることを覚悟すべき方針の園もあります。

我が子のためですが、ワーキングママにとっては(入園決定後に知って)これが負担という方もおられました。

見学や問い合わせで正確なことがすべてわかりますので、このポイントを園選びで重視したい方は早めに調べておくと良いですね。

保育園の子供

6.アレルギーや体調不良時の対応

我が子に食物アレルギーがある場合だけでなく、アレルギー対応は全入園希望者が知っておいた方が良い大切な情報でしょう。

どの子にも食物アレルギーが発症する可能性がありますからね。

また、発熱時や体調不良の際、マニュアル上ではどういった基準(休ませる基準・お迎えを頼む電話がかかってくる基準)となっているかは、ワーキングママはぜひチェックしておきたいところです。

筆者が知っている保育園の中でも、子どもの平熱にもよりますが「37℃で電話」というところもあれば、「38℃台でも様子を見ながら」と親の仕事を考慮してくれる施設もあり、対応はさまざまなようでした。

病児保育(病児後保育)を併設している園も

一般的には、保育園に看護師が常駐していたり連携医療機関が系列内であったりする施設では、病気時の対応が臨機応変であったり同施設内で病児保育(病後児保育)を実施している等、子どもの病気時にも保育園を頼りやすい環境が整っている場合が多いように感じます。

また、そういった施設は、体調不良時の対応や安心さで人気が高い傾向にもあるでしょう。

7.園の雰囲気・口コミ

園の保育理念・保育方針や外から見ている様子、または実際に我が子を預けているママたちの口コミも、園選びではとても参考になるでしょう。

保育園の口コミを集めたママ向けサイトもありますし、「○○保育園 口コミ」「○○保育園 評判」等検索でもたくさん出てくるかと思います。

ただし、口コミは書き込みをされた方個人の考え方によるものですし、一般的にポジティブ・ネガティブどちらかにかなり寄っている傾向にあります。

また何百・何千といる在園児や卒園児の内のほんの数名の親の感想です。

雰囲気を知るためには

口コミはリアルな声で利用者としてはありがたい情報源ですが、どの程度参考にするかは、他の要素と合わせながら考えた方が良いでしょう。

園見学の他に、公開保育を行なっている園、お誕生日会に参加出来る園、地域の公園で運動会を行う園もありますので、参加をしてみて園の雰囲気をご自身の目で確認してみましょう。

8.園の取り組みやプログラム

リトミックを習う子供達一昔前までは、「保育園は生活の場、幼稚園は幼児教育の場」といった風潮もありました。

しかし今では、共働き家庭の「なかなか子どもに習い事をさせてあげられない」「保育園でさまざまな力を身につけてきてほしい」といった要望に応えるように、保育園でもバリエーション豊かな幼児教育を取り入れている園が多いです。

プログラムの種類や参観頻度

一例ですが、リトミック指導/体操指導/絵画指導/読み書き・簡単な計算/課外教室、等があります。

先述のように、一定年齢以上の園児全員が対象の場合もあれば、希望者だけが受けることができる場合もあります。

また、行事がほとんどなかったり保育時間内に子どもだけが楽しめる保育活動としてのプログラムが多いところから、積極的に保護者にも参観してもらう・一緒に体験してもらうことを園の特色としているところもあります。

年間行事や導入プログラムを比較、できれば見学や説明会に足を運ぶことで、それに伴う費用面や保護者負担もイメージができますね。

9.保護者会や保護者行事

保護者会は、在園児の全保護者からなる組織です。

基本的に、保護者会という組織自体は、どの園にも存在します。

ここで、多くの方が気になるのは、その保護者会に「定期的な会議があるのか」「役員にあたることがあるのか」「園行事の際に保護者会が手伝いをする必要があるのか」といった、要員としての負担面かと思います。

認可保育園は、共働きや家庭保育ができない理由のあることが前提の福祉施設であるため、一般的には保護者会や保護者行事は少ないというイメージが強いかと思います。

しかし、中には保護者会活動に積極的な幼稚園さながらの出席量を求められる園や、仕事を休んだり子どもをまたどこかへ預けて(夜間等)参加が半ば必須の会議を設ける園もあるようです。

保護者会の活動内容は年度によって変動するケースも

こういった面は、施設からの情報はもちろんのこと、先輩ママの口コミ等がとても有力なチェックポイントとなりますね。

ただし、年度によって雰囲気がガラッと変わる場合もあるため、「入ってみないとわからない」側面もあるのが、保護者会活動だと思います。

情報は参考程度にしておきましょう。

10.自立サポートの方針(トイレやお箸等)

保育園は、家庭に変わって子どもの自立や成長を日中サポートしていく機関ですが、その支援方法は園によってさまざまです。

気になる方も多いトイレトレーニング時期

たとえばトイレトレーニングにおいては、0歳児から布オムツや幼児パンツを着用させてどんどん濡れる(気持ち悪いとわかる)経験をさせていく方針の園もあります。

一方で、子どもの十分な発達を待ったり保護者の洗濯負担の軽減のために2歳児頃からゆっくりトレーニングに移行していく園まで、方針はさまざまです。

成長に合わせたサポートを希望するには

同様にスプーンやお箸の使用、哺乳瓶の卒業、着替えのサポート等も、もちろん子どもの個々の成長に応じてという前提ではありますが、園によってある程度の開始時期やサポート方法の基準には差があります。

また、入園後は基本的には家庭でも園の方針に合わせていくこととなります。

できるだけ各家庭の考え方と近い方針の園を選ばれると、家庭・園の両者が納得しながら子どもの成長をサポートしていくことができるため、一番メリットが大きいのではないでしょうか。

家庭で出来るようになったこと、園で出来るようになったことをそれぞれ親と先生とで共有しながら成長を見守っていけるといいですね。

11.園の設備・遊び場所

保育園の遊び場書認可保育園は、子ども一人当たりにおける必要面積や、非常時に安全に避難できるルートの確保等、運営をするにあたって一定の施設基準は必ず満たしています。

しかし、いくつかの保育園を外から見ただけでも一目瞭然のように、施設のつくりや感じは千差万別、施設ごとに個性がありますよね。

例えば、園庭の有無、園庭は広さを重視したものかたくさんの遊具が設置されているところか。

保育室の階やつくりはどうか。プールは?幼児トイレは?多目的室(ホール)は?ベビーカーや自転車は置いておけるのか?…等、さまざまな気になるポイントがあるかと思います。

体を動かすための場所

園庭がなくともホール遊びや近隣の公園へのお散歩等体を動かす活動は必ずあります。

その他、プールの有無に関わらず夏場はビニールプールや近隣施設の利用等水遊びは行われるでしょう。

でも、できることなら「この施設・設備はいいな」と思えるつくりの園に子どもを預けたいという方も多いですよね。

積み木が与える効果

12.先生方の雰囲気

大切な我が子を預ける上で、お世話になる先生方の雰囲気はとても重要です。

電話や見学時の対応があまりにも悪いとなると気になりますが、基本的に見学時(予め人が見に来ていることがわかっている際)にはどこも慣れた園長先生や主任クラスの職員が対応してくれます。

子どもたちへの接し方を観察しておく

先生方の雰囲気をよく知りたい場合には、日中の活動中の子どもへの声のかけ方や接し方を見てみるのがおすすめです。

我が子のお散歩がてら、園の近くを通ったり園のお散歩の様子(先生と子どもたちだけの時間)を見てみるとイメージしやすいかと思います。(2~3歳頃までの低年齢児は、午前中に戸外遊びを取り入れている園が多いです。)

ただし、公立保育園の場合先生の異動は毎年のようにありますし、どの園でもどんな先生が担当になるかは入園するまでわかりません。

こちらも参考程度にですが、先生方が全体的に笑顔で明るく、子どもたちも楽しそうに活動している園を選びたいですね。

13.人気・倍率等のデータ

保活を考える上で、結局はこれが一番現実的な問題となってしまう場合が多いでしょう。

「あの園はここがいいな」といった理想はたしかに大切ですが、立地や方針が良い園はやはり人気が集まりやすく、倍率も高くなってしまう傾向にありますね。

入園にあたってデータや現状を元に家族と話し合いをしておく

前年度のデータや、自治体によりますが速報値や予想が出されている場合もあるかと思います。

フルタイムの共働きでも思うように保育園が決定しない地域もありますね。

地域の現状や、さまざまなデータを分析しながら、「それでも入りたい園を優先する」「確実に行けそうな所から狙う」等、方向性をご家庭で話し合ってみてくださいね。

なお、認可保育園の場合は、「園見学や公開保育に積極的に足を運び園長先生等と顔見知りになることで優先的に入れる」…といったことはないようです。

あくまで、保活における点数や各家庭の状況を自治体(役所)が総合的に判断をし、決定されるという方法です。

常に情報にアンテナを張りながら、自治体の定める保活方法をしっかり(期限や正確な書類等)守っていくことが、結局は一番内定に近づく方法なのかもしれませんね。

14.外部連携機関

0歳からの保育園こちらはすべての園には当てはまりませんが、外部連携機関の有無、それがどこなのか、といったことも保活をする上で知っておいた方が良い場合もあります。

たとえば、小規模保育施設等、1~3歳児で卒園となるいわゆる「乳児園」と呼ばれる施設では、乳児期に無事入園することができても、数年後にはもう一度保活を迫られます。

さらに今度は2~4歳クラス頃からの入園となるため、一層枠が少なく保活に苦労する場合もあるでしょう。

そんな際に、「連携園」の有無はとても大事なチェックポイントとなります。

連携園とは

この場合の連携園とは、乳児園の卒園児を優先的に内定させてくれる枠のある園のことです。

内定枠以外にも、園庭の無い乳児園に園庭を開放したり、行事での交流を持つ等、「乳児園だから○○(卒園後・異年齢交流・遊ぶ場所等)は困るのでは?」といった不安を解消してくれる大きな要素となります。

もちろん、連携園があれば確実に安心というわけではありませんが、次回の保活も見越すのであれば、こちらもチェックしておきましょう。

また、外部連携機関は、他にも病院・幼児教室等もあります。

どちらもこれまでに少し触れてきた内容となりますが、系列内や隣接に病院がある場合には体調不良時の対応が柔軟な場合もあります。

家庭で気になっていた幼児教室(習い事)の講師が園に来てくれるプログラムがあれば、保育中に子どもに希望の習い事をさせてあげられるようでラッキーです。

一例ですが、こういった情報もチェックしておくと、悩みが解消したり今後のことを考える上でもお役立ちになるかと思います。

15.我が子の反応

最後に、月並みではありますが、園選びではフィーリングも大切かなと思います。

見学や公開保育に行ってみた際、我が子がどんな反応をするかというのも、大切なポイントですね。

まだ生まれて間もない子どもでは反応はわからないこともありますが、1歳以上でヨチヨチ手を引いて見学に行った際、園児に混ざって遊びたがったり先生に笑顔で向かっていく様子があるのか、ママにしがみついて大泣きをしていたのか。

もちろん子どもの人見知り度合いやその日の機嫌にもよりますが、子どもなりに感じることもきっとあるかと思います。

見学に行ってみるからこそ分かること

筆者自身は何か所もの園に子どもと見学に行った際の反応を見つつ「親の勘」で希望順位を決めました。

結果1歳児での入園後すぐに園に馴染み、先生方もとても良くしてくださっているので、「見学時にまだ言葉もわからなかった幼い子どもにも、この園の優しい雰囲気が伝わったのだろうな」と感じています。

もちろん、先の倍率等現実的な要素も含め、「さまざまな条件を元にピックアップした園で順位に迷ったら…」といった段階での話ですが…。

ぜひ、見学時には園内の様子だけでなくお子さんの様子も見てみてあげてくださいね。

保育園で問題児だったら

安心して預けられる第2の家庭選びを

いかがでしたでしょうか?

厳しい保活状況での園選びは、どうしても家での情報収集や書類作成に必死になり頭を抱えてしまいそうですが、時にはお散歩や園見学等、お子さんと一緒に外に出て一緒に「保育園ってどんなところ?」を体感してみてくださいね。

また、各園の情報収集で気に入ったポイント・イマイチだと感じたポイントをメモしておくと、最終候補を絞る際に役立つこともありますよ!

良い面も悪い面も、足を運んでこそわかること、人に聞いてこそわかることがたくさんあります。

ぜひ、息抜きもしつつ親子時間を楽しみながら、安心して預けられる保育園に巡り会えるといいですね!