中学受験における塾の掛け持ちのメリットと上手な活用法

塾で勉強する小学生

塾講師をしていた経験から、中学受験で塾を掛け持ちしているご家庭も見られました。

苦手分野を補強するために集団塾と個別指導塾を併用するなど、塾の掛け持ちにはいくつかパターンがあります。

一方で、塾の掛け持ちは本当に効果があるのか、掛け持ちするとしたらどのような活用法があるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、中学受験塾の掛け持ちのメリットや上手な活用法についてご紹介していきます。

目的がはっきりしていれば塾の掛け持ちも可能

最初に、そもそも塾の掛け持ちは効果があるのか、受験対策の方法として問題はないのか、ポイントを整理しておきます。

結論から言うと、目的さえはっきりしていれば塾の掛け持ちは問題ありません。

複数の塾に通う以上、費用は多くかかりますが、それによって志望校に合格できるのであれば、塾の掛け持ちも効果的な方法となります。

塾を掛け持ちする目的の活用例とは?

塾を掛け持ちする目的には、苦手分野の補強などが挙げられます。

例えば、メインとなる受験塾の授業についていけなくなったとき、別の塾で苦手分野を補強することで、メインの受験塾の授業に対応できるようにする、などの活用法があります。

特に集団塾の授業についていけるように、苦手分野を個別指導塾で対策するといったケースが多く見られます。

受験塾の授業についていけるかどうかは、受験勉強に大きな影響を与えます。

塾の授業は志望校合格に向けたカリキュラムとなっているため、その授業に対応できなくなると、効率的な受験勉強が難しくなります。

受験勉強が思うように進まなくなれば、志望校に合格する確率も下がってしまうでしょう。

こうした事態を解決するため、塾を掛け持ちして苦手分野を重点的に対策し、メイン塾の授業に対応するといった方法があるわけです。

目的の明確化の重要性

このように、中学受験塾の掛け持ちは目的をはっきりさせることが何より大切です。

目的がはっきりしない状態でなんとなく複数の塾を併用しても、ただ費用がかかるだけで効果的とは言えません。

塾の掛け持ちは、あくまで志望校の合格のために効果があるかどうかで判断すべきです。

「メイン塾の授業についていくため」「苦手分野・苦手科目を補強するため」など、志望校合格に向けた目的をはっきりさせましょう。

塾の掛け持ちは費用がかかるだけでなく、子どもの負担が大きくなることも考慮しなくてはなりません。

特に小学生の場合、複数の塾に通うことに負担を感じる子どもも多いです。

「なぜ複数の塾に通う必要があるのか」という理由・目的を子どもにきちんと説明し、理解を得るなどして、子どもの負担を少しでも減らしてあげる必要があります。

このような点からも、中学受験塾の掛け持ちは目的を明確にすることが非常に重要となります。

周りに流されてなんとなく塾を掛け持ちするといったことは、絶対に避けてください。

このような中学受験塾の掛け持ちの注意点については、詳しくは後述します。

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中学受験塾の掛け持ちのメリット

頭がいい子の特徴

さて、目的さえはっきりしていれば中学受験塾の掛け持ちは特に問題ありません。

上記でも少し触れましたが、中学受験塾の掛け持ちのメリットについて具体的に整理していきましょう。

苦手分野を補強しやすい

先ほどもご紹介したように、中学受験塾の掛け持ちは、苦手分野の補強・克服を目的に行う場合が多いです。

苦手分野の理解がなかなか進まない場合、塾の授業にどんどんついていけなくなり、これまで以上に苦手意識を持ってしまうという悪循環に陥るおそれがあります。

そこで、その苦手分野・苦手科目だけを別の塾(個別指導塾など)で重点的に対策してもらい、理解を深め、メイン塾の授業の遅れを取り戻すといった方法があります。

一つの塾に通っていると、その塾の教え方では苦手分野の理解が深まらない場合があります。

子どもと授業の相性も関係する問題ですので、苦手分野がなかなか改善されない場合には、他の塾による対策も検討してみると良いでしょう。

このような塾の掛け持ちによって苦手分野を補強できれば、それだけ万全の体制で受験に臨むことができます。

苦手科目の補強だけでなく得意科目の補強にもつながる

上記で触れた苦手「分野」の補強というのは、苦手「科目」の補強だけを意味するのではありません。

「得意科目の中の苦手分野」を対策し、得意科目をさらに補強するというメリットもあるのです。

得意科目といっても、その中で得意な分野もあれば苦手な分野もあるでしょう。

そこで、得意科目をさらに得点源とするため、得意科目の中の苦手分野を他の塾で対策し、得意科目の補強につなげるというケースも見られます。

幅広い情報を入手できる

中学受験塾の掛け持ちは、受験に関する情報を幅広く入手できるというメリットもあります。

複数の塾が持つ情報を分析し、志望校の試験問題の傾向や対策ポイントなどをより正確に把握するなど、幅広い情報を活用することが可能です。

特定の塾の情報が偏っているというわけではありません。

受験に特化している塾である以上、いずれの塾もきちんと客観的な情報を持っているはずです。

ただ、塾を掛け持ちすることで、対策ポイントなどをより客観的・具体的に知ることができるというメリットはあります。

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中学受験塾の掛け持ちの上手な活用法とは

高学年の男の子

次に、中学受験塾を掛け持ちする際の上手な活用法についてご紹介していきます。

集団塾と個別指導塾の掛け持ち

先ほどもご紹介したように、集団塾の授業に対応するために個別指導塾で苦手分野の対策をするなど、集団塾と個別指導塾の掛け持ちは何かとメリットがあります。

特に個別指導塾の場合、苦手分野に特化して対策を進めやすいので、メインとなる集団塾とうまく併用できれば、短期間で効率的に苦手分野を克服することが可能です。

そのほか、個別指導塾をメイン塾にしている場合に、集団塾を併用するというケースもあります。

例えば、主な受験対策は引き続き個別指導塾で行いつつ、集団塾に通って周りとの競争意識を鍛えるなどの方法があります。

あまりに競争意識が強すぎることは好ましくありませんが、適度な競争意識であればモチベーション維持につながります。

また、集団の中で問題演習をしたり、集団でテストを受けたりする経験は、試験本番のシミュレーションとしても役立ちます。

そのため、本番に似た雰囲気を経験させるために集団塾を併用するという方法も考えられます。

このように、中学受験塾を掛け持ちする場合は、集団塾と個別指導塾の相互のメリットを活用することを考えてみると良いでしょう。

得意分野と苦手分野に分けて考える

中学受験塾の掛け持ちは、やはり苦手分野の補強というメリットが大きいです。

そのため、事前に得意分野と苦手分野をしっかり把握し、塾の掛け持ちによってどの分野を補強すべきか、きちんと整理しておく必要があります。

そのうえで、得意分野は現在通っている塾で引き続き実力を磨き、苦手分野は他の塾で補強するなど、分野ごとに活用すると効果が大きくなります。

得意科目と苦手科目がはっきりしていれば、得意科目は引き続きメイン塾で鍛え、苦手科目は他の塾でも補強・克服するという方法が効果的でしょう。

一方、得意科目の中に苦手分野がある場合でも、その分野を他の塾で対策し、得意科目の補強につなげることができます。

いずれの場合も、事前に得意分野と苦手分野をしっかり整理し、苦手分野の補強・克服につなげることが大切です。

得意分野の補強につなげる

ここまでの話で触れたように、中学受験塾の掛け持ちは苦手分野の補強を目的に行うケースが多いです。

一方で、苦手分野だけでなく得意分野を補強するために他の塾を活用するケースもあります。

例えば、集団塾で得意分野の授業を引き続き受けつつ、個別指導塾で得意分野の問題演習を重点的に行い、実力をさらに鍛えておく、といった方法が考えられます。

ただ、得意分野を複数の塾で勉強しても、あまり意味がない場合もあります。得意分野の補強は現在の塾で十分というケースも多いからです。

得意分野において塾を掛け持ちする場合は、一つの塾では授業メイン、もう一つの塾では問題演習メインといった形で、目的別に使い分けると良いでしょう。

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中学受験塾の掛け持ちの注意点

ここまでご紹介したポイントも踏まえ、中学受験塾の掛け持ちの注意点を整理しておきましょう。

まずは目的をはっきりさせること

冒頭でも述べましたが、中学受験塾の掛け持ちは、とにかく目的をはっきりさせたうえで行う必要があります。

塾を掛け持ちすれば安心というわけではありません。

苦手分野の補強などの明確な目的がなければ、塾を掛け持ちが効果的とは言えないのです。

費用面でデメリットになるだけでなく、子どもの負担も大きくしてしまいます。

塾の掛け持ちによって何を達成したいのか、その目的は志望校の合格につながるのか、事前にしっかり検討しておきましょう。

塾の授業内容が重複しないようにすること

中学受験塾の掛け持ちでは、塾の授業内容が重複しないように注意することも大切です。

得意分野と苦手分野に分けて塾を掛け持ちする場合は、授業内容が異なるのであまり問題はありません。

一方で、得意分野の補強のために塾を掛け持ちする場合などは、塾の授業内容がかぶりやすいため、特に注意する必要があります。

塾を掛け持ちしても、授業内容が重複していればあまり効果がありません。

先ほどもご紹介したように、得意分野の補強であれば、片方の塾では授業メイン、もう片方の塾では問題演習メインといった形で、授業内容がかぶらないようにしましょう。

例えば算数の図形が得意分野だとして、図形分野をさらに得点源とするために問題演習を重ねたい、というケースを考えてみましょう。

この場合に、メインの集団塾以外に個別指導塾に通い、問題演習のポイントをつかんで実践力を鍛えたいとします。

このケースでは、図形がすでに得意分野となっているため、個別指導塾で改めて図形の基本から学習する必要はありません。

個別指導塾ではあくまで問題演習を中心に進めてもらい、難解な図形の問題に対応できる力を養うことが好ましいです。

この場合に個別指導塾で図形の基礎から学習しても、授業内容が重複してしまうので、得意分野の補強として効果的とは言えません。

もちろん基本の確認は大切ですが、授業内容があまり重複するようであれば、受験対策として効率的とは言えないでしょう。

また、同じ科目、同じ分野といっても、塾によって教え方が大きく異なる場合があります。

いろいろなやり方を教えてもらっても、かえって混乱してしまうおそれもあるのです。

授業内容が重複すると、このような混乱を招きやすくなります。

こうした事態を防ぐためにも、それぞれ塾の授業内容をあらかじめよくチェックし、重複しないようにしましょう。

情報の見極めはしっかりと

幅広い情報を入手できることも中学受験塾の掛け持ちのメリットですが、その情報の見極めはしっかりと行いましょう。

情報が多すぎてもかえって混乱してしまうので、あくまで客観的な情報の判断が必要です。

中学受験に特化した塾が提供する情報は、もちろん基本的には信頼性の高いものです。

ただし、明らかにおかしいと思った情報は鵜呑みにはせず、客観的に判断する必要があります。

費用や子どもの負担も考える

先ほどもご紹介したように、塾の掛け持ちは費用が多くかかるほか、子どもの負担も大きくなります。

費用面や子どもの負担も考慮したうえで、それでも塾を掛け持ちするメリットがあるか、事前にきちんと検討しましょう。

特に子どもの負担を軽くしてあげるには、子どもの理解をしっかり得ることが大切です。

志望校合格のために塾の掛け持ちが必要であるという点を子どもにきちんと伝えましょう。

理由もわからず複数の塾に通わされると、子どもにとって負担はさらに大きくなり、中学受験に対するモチベーションが低下するおそれもあります。

塾の掛け持ちの理由・目的は、子どもとしっかり共有しておきましょう。

また、最初は抵抗なく複数の塾に通っていても、途中からストレスを感じてしてしまう子どもも見られます。

子どものストレスチェックはこまめに行い、あくまで無理のない範囲で受験勉強を続けさせることが大切です。

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今回は、中学受験塾の掛け持ちのメリットや上手な活用法などのポイントをご紹介していきました。

中学受験塾の掛け持ちは、やはり苦手分野の補強というメリットが大きくなります。

集団塾と個別指導塾の併用など、苦手分野を効率的に対策しやすくなります。

一方で、ただ中学受験塾を掛け持ちすれば良いというものではありません。

費用や子どもの負担なども踏まえ、目的を明確にしたうえで行う必要があります。

また、塾を掛け持ちする目的を子どもとしっかり共有し、子どもの理解を得ることも大切です。

中学受験塾の掛け持ちは、あくまで志望校の合格に向けたものです。

塾の掛け持ちが本当に志望校合格につながるかどうか、事前によく検討しておきましょう。

そのうえで、集団塾と個別指導塾の併用などをはじめ、効率的に塾を活用していくことが好ましいです。

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