学力と体力の関係!学力向上には運動を取り入れよう

体力のある子供たち子どもの学力がなかなか伸ばせずにお悩みではありませんか?

「勉強が苦手だから、外で遊ばせている暇はない」、「一刻も早く外から帰らせて勉強をさせたい」などと考えたこともあるかもしれません。

しかし、その考え自体が子どもの学力を伸び悩ませている原因なのかもしれません。

実は、遊ばせることや運動させることこそが、子どもの学力を伸ばす秘訣となっているのです。

研究成果から分かった!学力と体力の関係

スウェーデンやアメリカでの研究でも明らかになっているように、学力と体力には深い関係があることが分かっています。

週2回の体育の授業をしたクラスと、毎日体育の授業をしたクラスとでは、毎日体育の授業をしたクラスの方が学力が高いという結果だったそうです。

また、体力のある子は、特に算数、国語、英語の学力が高いということが分かっています。

面白いことに、あまり運動をせず肥満傾向にある子どもは、普段から運動をしている子に比べて学力が低いという結果も出ているそうです。

なぜ学力と体力は関係があるの?

体力と学力の関係運動をすることで、脳の「海馬」という部分に刺激が与えられ、学力と結びつくと考えられています。

海馬とは、記憶や空間学習能力に関わる脳の器官の一部です。記憶障害(アルツハイマー等)にも深く関係する器官でもあります。

海馬自体は、記憶をするというよりも、

  • 記憶に残すかどうかの識別
  • 記憶したい情報を大脳に送りこむ

などの、記憶について司令をしたり配達をしたりするという役割があるそうです。

物事を記憶するには、記憶したい情報を入れたり出したりするのを繰り返すこと、つまり記憶と忘却の繰り返しが大切であり、そうすることで長期記憶となっていきます。

そしてその出し入れを担当するものこそが海馬なのです。

運動をすることで、この海馬に良い刺激が与えられて脳が活性化し、学習が身についていくのです。

子どものみならず、高齢者の適度な運動なども認知症防止に効果的とされています。

子どもは大人よりも脳に刺激が与えられやすいため、定期的な運動や学習前に運動することは、学力に強く影響するのです。

学力アップにはどんな運動をしたら良い?

運動をして海馬を刺激するために、トレーニングのような激しい運動をしなければならないということはありません。

子どもが普段からやっている、もしくはできるような運動で充分です。

では具体的に、どんな運動をしたら効果的なのでしょうか。

特にこれという指定はありませんが、心拍数が上がる有酸素運動が良いとされています。

次は、3つのおすすめの有酸素運動をご紹介します。これらは、どれも1回に4分~20分程度で充分です。

散歩や、軽く走る

学習をする前に、散歩をしたり軽く走ったりすると効果的です。

最も手軽で簡単にできる運動ですので、友達と話しながら楽しくやるのも良いでしょう。

近年は治安や天候などの面から、登下校が送迎になっている子どもが増えてきています。

そのため、朝全く運動をしないまま学校に来て、授業中にボーっとしている子も少なくないのです。

歩かない、走らないことが多くなり、筋力がつかず体力のない子が増えてきているのが現状です。

距離にもよりますが、登下校をするだけでも子どもにとってはとても良い運動になりますので、特別な理由がない限りは、登下校は徒歩でさせることをおすすめします。

なわとびをする

アメリカでの研究によると、なわとびをすることで算数の成績が上がるという結果が出ているそうです。

特別な勉強などは一切せず、毎日20分間のなわとび運動を取り入れただけで、みんな一斉に算数の得点が上がったそうです。

なわとびは小学校の授業でも使います。学力のためだけでなく、なわとびの上達をしたいという子には一石二鳥ですね。

しかし、見た目以上に意外と体力を使います。

やりすぎてしまうと、疲れてしまい逆に集中力を失ってしまうこともあるので気をつけましょう。

ボール遊び

ボール遊びの中には、ドッジボールやサッカーなど色んな遊び方があります。

どれも有酸素運動で、心拍数を上げるということ以外に、他にも子どもにとって良い点があります。

それは、ボール運動はチーム戦となることが多いため、常に自分以外のことを考えながら運動しなければならないということです。

チームで一つの目標に向かったり、協力したりすることで、思いやる力がつくということと、ピンチのときに集中したり、うまく気を抜いたりするトレーニングとなることも、ボール運動の良い点です。

食事や睡眠も体力につながる

朝食をとる家庭昔と比べ、最近では朝食を食べずに活動を始める子どもが増えてきています。

朝ごはんには、一日をスタートさせるためのエンジンをかける役割や、脳にスイッチを入れて活動ができるようにするというような役割があるので、とても重要なのです。

もちろん、昼食、夕食も大切です。適度な量で、バランスのとれた食事は、子どものエネルギーを作ります。

また、食事と同じように睡眠をしっかりととることも大切です。

「寝る子は育つ」というように、しっかりと睡眠をとっている子は、体がしっかりと成長します。

記憶の定着、体力の回復なども、寝ている間に行われ、次の日の準備が整うのです。

睡眠不足だと、運動をしたとしても海馬がうまく機能できないことがあり、学習に集中することができません。

食事や睡眠が不十分な子は小さく、体力がなく、あまり運動ができません。逆に、しっかりと食べてたくさん睡眠をとっている子は、体力があるのでたくさん体を動かすことができるのです。

たくさん運動をすることで脳が活性化され、勉強に集中したり、幅広い考え方をしたりすることができます。

体力も学力もある少年

学力向上には運動を取り入れよう

いかがだったでしょうか。

学力と体力は、何の関係もないように感じますが、実はとても深い結びつきがあったのです。

これらのことを踏まえ、今では朝の学習時間に運動を取り入れている学校も少なくありません。

もし、勉強をさせるために運動をあまりさせていなかったというのであれば、これから何か一つ、試しにやってみてはいかがでしょうか。

参考リンク:子どもの学力と体力の知られざる深い関係-東洋経済ONLINE-