高輪中学校は、東京都港区にある私立の男子中高一貫校です。
ここでは、高輪中学校の特色や、受験情報、合格に必要なことなどをご紹介していきます。
目次
高輪中学校の特色
高輪中学高等学校は「自主堅正」を校訓とし、自分を確立して人格向上に努力することを重視した教育方針のもと、中高一貫教育を展開しています。
「人を育てる指導」「大学へ進学させるための指導」を教育目標とし、生活習慣の指導、選抜クラスの設置、資格検定受検の奨励などを含め、心身両面の充実した教育に特徴があります。
学校の沿革
1885年に前身となる普通教校が開校。
1906年に高輪中学校へ改称されたのち、学制改革によって1947年に高輪中学校が、1948年に高輪高等学校が発足、現在に至っています。
施設
主な施設としては、各教室のほか、各理科実験室、図書室、英語教室、講堂、体育館、グラウンドなどがあり、充実しています。
進学先
平成31年度の大学の合格実績は、一橋大学3名、東京工業大学3名、千葉大学3名、横浜国立大学3名、防衛大学校3名といった国公立大学の合格実績のほか、慶應義塾大学14名、早稲田大学31名、上智大学28名、東京理科大学34名といった難関私立大学の合格実績も豊富です。
学校周辺の環境
高輪中学高等学校のアクセスは次の通りです。
- 都営地下鉄浅草線・京浜急行線泉岳寺駅A2出口から徒歩3分
- 都営地下鉄三田線・東京メトロ南北線の白金高輪駅出口1から徒歩5分
各路線とも東京都内をはじめ多方面からのアクセスに優れており、これらの路線を活用して様々なエリアから通学することができます。
高輪中学校の受験情報
入試日程
A日程:2月1日(月)午前
B日程:2月2日(火)午前
C日程:2月4日(火)午前
算数午後入試:2月2日(火)午後
募集人員
A日程:男子70名
B日程:男子70名
C日程:男子30名
算数午後入試:男子20名
試験科目
A日程・B日程・C日程が国語(100点満点・50分)、算数(100点満点・50分)、社会(60点満点・30分)、理科(60点満点・30分)の4科目、算数午後入試が算数(100点満点・60分)となっています。
また、帰国生入試の試験日は1月12日(日)で、募集人員は男子10名となります。
試験科目は2科目型が国語(100点満点・50分)、算数(100点満点・50分)、3科目型が国語(100点満点・50分)、算数(100点満点・50分)、英語(100点満点・50分)となっています。
高輪中学校の偏差値と倍率
偏差値
高輪中学校の偏差値を80偏差値で見ると次の通りです。
A日程 | 50 |
B日程 | 52 |
算数午後入試 | 60 |
C日程 | 52 |
倍率
また、2020年度の各日程の実受験者数・合格者数から倍率を算出すると、次のようになります。
実受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
A日程 | 322名 | 115名 | 2.8倍 |
B日程 | 392名 | 144名 | 2.7倍 |
C日程 | 299名 | 80名 | 3.7倍 |
算数午後入試 | 262名 | 84名 | 3.1倍 |
帰国生2科目型 | 17 | 10 | 1.7 |
帰国生3科目型 | 10 | 6 | 1.6 |
C日程や算数午後入試の倍率の高さが目立ち、特にC日程は4倍近くの倍率となっています。
高輪中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点です。(算数午後入試の場合は試験時間60分)
大問は5問程度出題され、計算問題、小問集合、応用問題などで構成されます。
A・B・C日程の出題内容は、基礎的な計算問題と、数量・図形の両分野の標準問題とされています。一方、各日程で出題分野の違いも見られるので、過去問からそれぞれの日程の頻出分野を細かく確認しておきましょう。
また、算数午後入試は計算過程や総合力を見る試験となり、記述型入試という位置づけになっています。
過去問から傾向をつかんだうえで、計算式や考え方をわかりやすく示す練習をしておきましょう。
国語
算数同様に、試験時間は50分、配点は100点満点となります。
大問は3問で、言葉の問題、随筆文、小説文から出題されています。
設問数が比較的多くなっているので、時間配分には特に注意しましょう。
特に読解問題は、心情・場面の変化などを正確に読み取り、それぞれの設問を速く正確にこなしていく力が必要です。
また、設問には記述問題も多く見られます。過去問をはじめ問題演習を重ね、各設問に対応できる実践力を養っておきましょう。
社会
試験時間は30分、配点は60点満点です。
各分野からまんべんなく出題され、地理分野20点程度、歴史分野20点程度、公民分野20点程度で合計60点満点という出題構成です。
また、時事問題の出題、資料問題なども出題されます。
これらの問題も含め、試験時間30分で解かなければならないので、時間配分には特に注意しなくてはなりません。
過去問をはじめとした問題演習により、知識の定着に加え、時間配分の感覚をしっかりつかむことが大切です。
理科
社会と同様、試験時間は30分、配点は60点満点となっています。
大問は4問で、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されています。
基本的な知識だけでなく、応用力が問われる問題、複雑な計算問題なども出題されます。
また、環境・エネルギー分野の問題が出題されることもあるので、過去問から頻出分野・問題傾向をしっかり確認しておきましょう。
また、社会と同じく試験時間が30分と短いため、過去問演習によって時間配分に慣れておくことも必要です。
過去問
受験者平均点・合格最低点の特徴
受験者平均点
2020年度の入学試験結果から受験者平均点を見ると次の通りです。
受験者平均点 | 受験者平均点の割合(得点率) | |
A日程 | 159.7点(320点満点) | 約49.9% |
B日程 | 164.9点(320点満点) | 約51.5% |
C日程 | 168.0点(320点満点) | 52.5% |
算数午後入試 | 40.8点(100点満点) | 約40.8% |
帰国生2科目型 | 98.4点(200点満点) | 約49.2% |
帰国生3科目型 | 177.0点(300点満点) | 59% |
また、それぞれの合計点(A・B・C日程:320点満点、算数午後入試:100点満点、帰国生2科目型:200点満点、帰国生3科目型:300点満点)から割合(得点率)を考えると、A日程が約49.9%、B日程が約51.5%、C日程が52.5%、算数午後入試が40.8%、帰国生2科目型が約49.2%、帰国生3科目型が59%となります。
A日程、算数午後入試、帰国生2科目型の平均点は4割台でやや低めになっていますが、このうちA日程は5割に近い平均点となりました。
また、B日程とC日程、帰国生3科目型の平均点は5割を超え、このうち帰国生3科目型は6割近くの平均点となり、他日程と差をつけています。
合格最低点
次に、合格最低点をみていきましょう。
合格最低点 | 合格最低点の割合(得点率) | |
A日程 | 171点(320点満点) | 約53.4% |
B日程 | 179点(320点満点) | 約55.9% |
C日程 | 187点(320点満点) | 約62.3% |
算数午後入試 | 50点(100点満点) | 50% |
帰国生2科目型 | 101(200点満点) | 50.5% |
帰国生3科目型 | 178点(300点満点) | 約59.3% |
こちらも各合計点から割合(得点率)を考えると、A日程が約53.4%、B日程が約55.9%、C日程が約62.3%、算数午後入試が50%、帰国生2科目型が50.5%、帰国生3科目型が約59.3%となります。
A・B日程の合格ラインは5割前後で、C日程のみ6割を上回っています。
また、算数午後入試、帰国生2科目型のいずれも5割台の合格ラインとなっています。
高輪中学校合格のために必要なこと
高輪中学校の試験問題は各科目の特徴が比較的はっきりしており、公式ホームページ上でも出題傾向や問題例が記載されています。
これらの内容をしっかり確認し、過去問演習を重ね、それぞれの科目の特徴をおさえて対策を進めましょう。
各科目とも、時間的な余裕が少ない傾向があるので、時間配分はしっかりと意識する必要があります。
過去問、問題演習などを通じ、日ごろから速く正確に解くことを心がけましょう。
また、4科目受験のほか、算数1科目のみの算数午後入試があることも特徴的です。
各日程の試験科目・出題傾向のほか、日程ごとの倍率や合格ラインも含め、受験日程を検討することが大切です。