神奈川大学附属中学校は、神奈川県横浜市にある男女共学の私立中高一貫校です。
高校からの募集は行われず、完全中高一貫校となっています。
神奈川大学の附属校ですが、他大学への進学も多く、進学校として難関大学への進学実績が見られます。
ここでは、神奈川大学付属中学校の特色や気になる倍率、入試対策をご紹介していきます。
目次
神奈川大学附属中学校の特色
神奈川大学附属中・高等学校は、建学の精神として「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」の3つを掲げ、自主独立の精神を尊重しています。
中高一貫の6年間で、大学受験に対応したカリキュラムが設定されています。
成績上位者の特進クラスや習熟度別クラスなどは編成されず、生徒全員の進学保障を行うプログラムとなります。
高2~高3では予備校型の演習があるほか、高3では個別指導も行われるなど、大学受験に向けた教育環境が充実しています。
英語教育も充実しており、英単語コンテスト、e-ラーニング教材「College Pathway」、英語語学研修、英国・イタリア海外研修などがあります。
学校の沿革
神奈川大学附属中・高等学校は、1985年に男子校として開校されました。
1988年に男女共学へ移行し、2004年には併設型中高一貫校に移行しています。
施設
主な施設としては、各教室のほか、食堂、自習室、体育館、剣道場、図書室、調理室、トレーニングルーム、教育相談室、陸上グラウンド、野球場、テニスコート、プール、サッカー・ラグビー場などがあり、充実しています。
進学先
2020年度大学入試の合格状況は、現役生の大学合格者数は、国公立大学53名、私立大学656名となっています。
特に私立大学への合格実績が充実しています。
2020年度入試の合格者数を見ると、横浜国立大学10名(現役8名)、早稲田大学41名(現役38名)、慶応義塾大学16名など、難関大学への進学実績も見られます。
学校周辺の環境
神奈川大学附属中・高等学校は、JR横浜線・横浜市営地下鉄グリーンラインの中山駅から徒歩15分でアクセスできます。
また、相模鉄道線の鶴ヶ峰駅から相鉄バスを利用して「西ひかりが丘」(約20分)で下車し、そこから徒歩3分でアクセスすることもできます。
神奈川大学附属中学校の受験情報
試験日程・募集人数
学力検査日 | 募集人数 | |
第1回入学試験 | 2021年2月1日(月) | 男女40名 |
第2回入学試験 | 2021年2月2日(火) | 男女120名 |
第3回入学試験 | 2021年2月4日(木) | 男女40名 |
日程ごとの試験時間と配点
試験時間と配点 | 科目合計点 | |
第1回入学試験 | 国語・算数がそれぞれ50分で100点ずつ | 2科目合計で200点満点 |
第2回入学試験 | 国語・算数がそれぞれ50分で100点ずつ、理科・社会がそれぞれ40分で75点ずつ | 4科目合計で350点満点 |
第3回入学試験 | 国語・算数がそれぞれ50分で100点ずつ、理科・社会がそれぞれ40分で75点ずつ | 4科目合計で350点満点 |
偏差値
四谷大塚の80偏差値より、神奈川大学附属中学校の偏差値は次のようになります。
男子 | 女子 | |
第1回 | 58 | 60 |
第2回 | 55 | 57 |
第3回 | 55 | 57 |
女子の偏差値はいずれの日程も男子より高くなります。
倍率
2020年度の入試結果より、実質倍率は次の通りとなります。
A日程 | 2.0倍 |
B日程 | 3.1倍 |
C日程 | 7.5倍 |
例年、C日程の倍率が他の日程と大きく差をつけていることが特徴です。
入学後の学費
学年 | 年間合計金額 |
中学1年 | 1,117,000円 |
中学2年 | 913,000円 |
中学3年 | 913,000円 |
上記合計で294万3000円となり、中学校3年間でかかる学費の目安とすることができます。
入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となります。大問数は3問で、小問で20問程度出題されます。
大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3以降は思考力を問う問題とされ、「数と計算」「量と測定」「数量関係」「図形」の各分野からまんべんなく出題されます。
解答は全て答えのみを記入する形式で、途中式や考え方を書く問題はありません。
全体的に基本・標準レベルの出題ですが、計算問題や小問集合は高得点の勝負になります。過去問で時間配分を意識し、確実に正答できるようにしましょう。
国語
算数同様、試験時間50分で配点は100点満点です。
大問数は4問で、大問1が漢字、大問2が知識問題、大問3が説明的文章、大問4が文学的文章という出題構成です。
読解問題は、記述問題で点数に差が出ます。説明的文章では字数制限のある記述問題のほか、制限がない記述の出題も見られます。
文学的文章では、比喩の説明を50字程度で書かせるものや、解答欄4行程度の字数制限なしの記述問題が出題されます。
記述問題の出題形式にはきちんと慣れておきましょう。過去問をはじめ、似た傾向の記述問題に多く触れておく必要があります。
社会
A・B日程は試験時間40分で、配点は100点満点です(C日程は理科と合わせて50分、配点は50点満点となります)。
地理40%、歴史40%、公民20%の割合で出題され、時事問題が出題されることもあります。
地理・歴史分野では、一部に公民分野を含めた問題も出題されます。
設問形式としては、地図や資料を扱った問題、記述問題、適語記入問題などがあります。
記述問題は用語や背景などの説明が求められる場合もあり、きちんと対策をする必要があります。
適語記入問題では用語を正確に書き、誤字脱字に注意しましょう。また、地図や資料問題の読み取りは、問題演習を重ねて慣れておくことが重要です。
理科
社会と同様に、A・B日程は試験時間が40分で配点は100点満点となります(C日程は理科と合わせて50分、配点は50点満点です)。
大問数は4問程度で、4分野からそれぞれ出題されます。
それぞれの大問の配点はおよそ25点ずつとされています。また、小問数は合計10~15問程度です。
いずれの分野も実験・観察問題の出題が多い傾向があります。
基本的には教科書に沿った内容が出題されますが、教科書の細かい部分まで読み、正確な知識を身につけておくことが重要です。
過去問
受験者平均点の特徴
受験者平均点
受験者平均点 | 合計点割合 | |
A日程 | 237.7点 | 59.4% |
B日程 | 228.0点 | 57% |
C日程 | 135.6点 | 45.2% |
各日程の合計点(A日程:400点満点、B日程:400点満点、C日程300点満点)で割合を考えると、A日程の平均点は6割近く、B日程は5割後半の点数です。
合格者平均点と合格最低点
合格者平均点 | 合格者平均合計点割合 | 合格最低点 | 合格最低合計点割合 | |
A日程 | 272.1点 | 68% | 243点 | 61% |
B日程 | 261.4点 | 65.4% | 245点 | 61.3% |
C日程 | 176.7点 | 68.9% | 164点 | 54.7% |
合格者平均点は、いずれも7割に近くとなっています。
合計最低点の中でも、C日程は倍率が高く、合格最低点は6割に近い数字となっています。A日程・B日程の合格最低点は、6割台後半を取れるよう目安にしておきましょう。
神奈川大学附属中学校合格のために必要なこと
神奈川大学附属中学校の試験は、日程によって倍率や合格最低点が大きく異なります。特にC日程の倍率はかなり高く、合格最低点も高めに設定されています。
受験日程を計画する際には、これらの点を特に注意する必要があります。
試験問題については、神奈川大学附属中・高等学校のホームページで「入試出題ポイント」が公開されています。
これらの情報や過去問をもとに、十分に対策をすることが重要です。
基本的な問題や標準レベルの問題も見られますが、時間配分も含め、対策すべきポイントは多いです。
過去問に加え、似た傾向の問題を数多く解いておきましょう。
また、C日程では理科と社会の時間が短く、配点も低くなります。特に時間配分に注意しておきましょう。