開智中学校は、学校法人開智学園が運営する、埼玉県さいたま市岩槻区にある中高一貫校の中学校です。
今回は開智中学校の学校の特色や受験情報、合格のために必要なことについてご紹介します。
目次
開智中学校の特色
開智中学校には、開智小学校・中学校・高等学校の一貫となる総合部、高等学校からの高等部、そして中学校・高等学校の中高一貫部があります。
基本的には3つでカリキュラムが分かれていますが、総合部は中学3年で中高一貫部に合流するというカリキュラムになります。
教育目標
開智中学校・高等学校では、「心豊かな創造型・発信型の国際的リーダーを育成」という開智の教育目標を掲げています。
- 高質な教科型学習
- 探求・発信型学習
- 生徒の自主性
- の3つを教育の柱とし、最難関大学への進学を目指す教育が行われています。
カリキュラム
カリキュラムは、「先端クラス」、「一貫クラス」、「医系コース」の3つがあります。
先端クラスは創造的な授業として「学び合い」が展開され、主体的に学ぶことができるコースとなり、一貫クラスは基礎からじっくりと学び、応用力を身につけるコースとなります。
また、いずれコースでもグループワークなどが積極的に取り入れられることも特徴です。
医系コースは高校2年から3年でのコースで、医師を目指すためのカリキュラムとなります。
学校の沿革
開智中学校・高等学校は埼玉第一高等学校が前身となります。
埼玉第一高等学校は1983年に開校されましたが、1997年には中学校が開校され、これが開智中学校となりました。
また、1999年には高等学校名も開智高等学校に変更されています。
2004年には開智小学校が開校されました。
施設
主な施設は、一貫部校舎、第1グラウンド、第3グラウンド、図書室、室内プール、実験室、プラザホール、食堂、宿泊学習棟などがあります。
進学先
2019年の合格実績を見ると、東京大学8名、東京工業大学5名、筑波大学2名といった国公立での実績のほか、早稲田大学59名、慶應義塾大学26名、上智大学31名など、私立大学への進学実績も豊富です。
学校周辺の環境
開智中学校へのアクセスは、東武野田線の東岩槻駅から徒歩15分となります。
また、東岩槻駅は大宮駅や春日部駅とも近く、いずれの駅も都心とのアクセスが便利です。
特に大宮駅にはJR線など多くの路線が乗り入れています。
開智中学校の受験情報
日程と募集定員
試験日程 | 日程 | 募集定員 |
先端1 | 1月10日(日) | 110名 |
先端特待 | 1月11日(月) | 30名 |
算数特待 | 1月11日(月) | 10名 |
先端A | 1月13日(水) | 90名 |
先端2 | 1月14日(木) | 40名 |
試験科目と配点
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 60分 | 120点 |
社会 | 30分 | 60点 |
理科 | 30分 | 60点 |
ただし、算数特待のみ算数1教科(60分120点)となります。
開智中学校の偏差値と倍率
偏差値
開智中学校の偏差値を80偏差値でみると次の通りです。
男子 | 女子 | |
先端1 | 54 | 56 |
先端2 | 53 | 55 |
先端特待 | 62 | 64 |
先端A | 58 | 60 |
算数特待 | 56 | 58 |
倍率
第1回 | 先端特待 | 先端A | 先端B | 2回 | ||
志願者 | 1507名 | 827名 | 1048名 | 932名 | 172名 | |
受験者 | 男子 | 796名 | 402名 | 414名 | 395名 | 356名 |
女子 | 632名 | 235名 | 245名 | 181名 | 259名 | |
合格者 | 男子 | 495名 | 135名 | 164名 | 152名 | 171名 |
女子 | 407名 | 72名 | 83名 | 54名 | 110名 | |
倍率 | 男子 | 1.6倍 | 2.9倍 | 2.5倍 | 2.5倍 | 2.0倍 |
女子 | 1.5倍 | 3.2倍 | 2.9倍 | 3.3倍 | 2.3倍 |
全体的に見ると男子より女子の倍率が高い傾向があります。
開智中学校の入試問題と対策
算数
試験時間60分の中で、配点は120点満点となります。
出題範囲としては、割合や場合の数、図形、速さが多く見られます。
大問は4問程度で、大問1は小問集合となり、大問が進むにつれて徐々に難易度は上がります。特に先端Aでは場合の数で特徴的な出題も見られました。
全体として応用問題が多い傾向があります。
難易度がそこまで高くなくても、応用を踏まえた出題となる傾向も強いです。そのため、普段の問題演習では応用問題に慣れておく必要があります。
また、特徴的な出題があるので、過去問は重点的に解いておきましょう。
応用問題でも、基礎を活かしてきちんと正答できるものも含まれます。
そのため、特別難しい応用問題というより、標準問題から応用に入るような出題に慣れておくことが重要です。
開智中学校の算数は、4科目の中で最も配点が高いという特徴があります。そのため、正答できる問題は必ず正答し、点数を取っておくことが重要なポイントです。
国語
試験時間50分で配点は100点満点となり、算数より時間と配点がやや低くなります。
問題傾向としては、大問4問程度で漢字、知識問題、説明文、小説文などが出題されます。特に知識問題に注意が必要です。
知識問題は総合的な出題となり、語彙力が求められます。そのため、漢字の書き取りに加え、類義語や同音異義語などの知識が必要になります。
また、慣用句やことわざ、四字熟語など、さらには文法も多く出題されるので、これらは特別に対策をしておきましょう。
知識問題に特化した問題集やテキストで演習を重ねておくと効果的です。
また、読解問題は文章量が多く、選択肢も複雑な傾向があります。
対策としては、まず文章量の多い問題に慣れておく必要があります。慣れがないと、実際に長い問題を解くにあたってどこに注意すればいいかという感覚が身につきません。
説明文なら論理展開、小説文なら場面が重要ですが、長い文章ではこれらの把握が難しくなります。
そのため、まずは長い文章に慣れ、長くても論理展開や場面の変化にきちんと対応できるようにしておきましょう。
社会
試験時間30分で60点満点となります。
地理、歴史、公民、時事問題でまんべんなく出題され、大問1問の中で総合的に出題される傾向があります。
基本知識は必ずおさえたうえで、広い知識や応用力が必要です。
問題の中には細かいところまで問うものもあります。
資料などの細かい部分まで目を向ける必要があるので、これらの正確さは日々の問題演習で重点的に鍛えておきましょう。
日ごろから細かい出題の設問を解いておくと効果的です。
また、同じ大問で各単元が出題されるという、総合問題の形式にも慣れておきましょう。
過去問をはじめ、似たような問題傾向となるものを数多く解いておくと効果的です。
理科
社会と同じく、試験時間は30分で配点は60点満点です。
大問4問程度の出題で、範囲は生物、物理、化学、地学のそれぞれで出題が見られます。
全体的に、その場で考える問題が多い傾向があります。
基礎を活かしつつ、問題をきちんと読み取って考え、答えを導くという問題が多く見られます。そのため、実験問題などに慣れておく必要があります。
実験問題への対策としては、まずは過去問を重点的に解いておく必要があります。
実験問題は学校による傾向が強いので、過去問は特に重要です。
その傾向を踏まえ、似たような実験問題を数多くこなしておきましょう。資料や数値の読み取りが重要になるので、解き方の一つとして読み取りに慣れておく必要があります。
過去問
開智中学校合格のために必要なこと
開智中学校の試験問題は、算数の配点が高いことが特徴です。
問題も応用問題が多くなりますが、基礎をきちんと活かして正答できるものもあるので、ケアレスミスをせずに取れる問題は着実に取りましょう。
また、国語における知識問題や長い読解問題、社会の総合問題、理科の実験問題など、特徴的な出題もあります。
理科と社会は配点が低めですが、きちんと点数は取っておかなくてはなりません。
全体的な傾向としては、基礎問題よりも標準や応用問題が多く見られます。
出題傾向に慣れておかないと焦ってしまうような問題が多いので、それぞれの入試日程に合わせて過去問のチェックと演習を繰り返しましょう。