法政大学中学校は、学校法人法政大学が設置する男女共学の中高一貫校です。高校からの募集も行われており、併設型の中高一貫校となります。
ここでは法政大学中学校の気になる倍率、偏差値や試験対策をご紹介していきます。
目次
法政大学中学校の特色
法政大学中学校は「自由と進歩」という校風の中で、「自主自律」を育むという教育方針となっています。
また、法政大学での4年間も踏まえ、中学・高校・大学の10年間の一貫教育としての特徴もあります。
中学1年と2年は基礎学力と学習習慣を身につけ、中学3年と高校1年は学習時間をきちんと設定して基礎を固め、高校2年と3年では自分の進路に合わせてさまざまな選択学習が行われます。
また、法政大学中学校では、高校2年・3年で文系・理系でのコース分けは行われていません。
文系科目と理系科目から合わせて授業を選択することもでき、特徴的なカリキュラムとなっています。
法政大学中学校では、多くの生徒が法政大学へ進学します。一方で、他の大学への進学実績も見られます。
学校の沿革
1936年に法政中学校が創立、1948年には新学制による法政大学第一中・高等学校が開設されました。
2007年には三鷹市牟礼に移転し、法政大学中学高等学校に校名変更し、男女共学化が行われました。
施設
主な施設は、下記の通り充実しているのが特徴です。
- 図書館
- グランド
- 多目的グランド
- 部室
- 保健室
- 庭園
- 屋上庭園
- メインアリーナ
- サブアリーナ
- プール
- トレーニングコーナー
- マルチメディア室
- 調理室
- 弓道場
- 剣道場
- 和室
進学先
2019年度卒業生の進路データを見ると、在籍者の86.5%(205名)が法政大学へ進学しています。
また、他の大学への進学実績(現役生)としては、上智大学6名、慶應義塾大学4名、早稲田大学4名、東京理科大学3名、などの進学実績があります。
学校周辺の環境
法政大学中学校は、京王井の頭線の井の頭公園駅から徒歩約12分でアクセスできます。
バスで通学する場合、JR線の三鷹駅、京王井の頭線の久我山駅、京王線の調布駅からアクセスできます。
三鷹駅と久我山駅からのバスの場合、「西ヶ原」で下車して徒歩約5分、調布駅からのバスの場合、「下連雀」で下車して徒歩約12分で通学できます。
法政大学中学校の受験情報
試験日
- 第1回:2021年2月1日(月)
- 第2回:2021年2月3日(水)
- 第3回:2021年2月5日(金)
募集人数
- 第1回:男女約50名
- 第2回:男女約50名
- 第3回:男女約40名
いずれの日程も、試験科目は国語・算数・社会・理科の4科目です。
配点と試験時間は、国語と算数がそれぞれ150点で50分ずつ、社会と理科がそれぞれ100点で35分ずつとなります。
法政大学中学校の偏差値と倍率
法政大学中学校の偏差値を80偏差値でみると次の通りです。受験日程と男女で違いが見られます。
男子の偏差値
第1回 | 55 |
第2回 | 56 |
第3回 | 56 |
女子の偏差値
第1回 | 57 |
第2回 | 58 |
第3回 | 58 |
いずれの日程も、女子の方が偏差値が高くなります。
倍率
2020年度の入試結果より、倍率は下記の通りになります。
このうち倍率が最も低い日程は第1回で、最も高い日程は第3回です。また、第1回の倍率も4倍近くとなり、全体として高めの倍率が特徴です。
第1回 | 第2回 | 第3回 | |
受験者数 | 263名 | 400名 | 467名 |
合格者数(繰上を含む) | 77名 | 89名 | 54名 |
倍率 | 3.4倍 | 4.5倍 | 8.6倍 |
法政大学中学校の入学後の学費
2020年度の学費は、初年度納入金の合計は1,218,712円となっています。
このうち、入学金が30万円、授業料は55万5千円となります。
また、第2学年の学費の合計が1,051,449円、第3学年の学費の合計が940,640円です。
第1学年から第3学年までの学費を合計すると321万801円となります。
年度によって違いが生じる可能性もありますが、330万円程度が中学校3年間でかかる学費の目安といえます。
法政大学中学校の入試問題と対策
算数
試験時間50分で150点満点となり、社会や理科より試験時間は長く、配点も高くなります。
出題形式としては、計算や特殊算の小問が10問程度、大問が4問程度出題されます。
大問は、平面図形や空間図形、量、場合の数などで、大問は小問2~3問程度で構成されます。
出題される問題は基本や標準レベルとなります。受験者のレベルを考えると、高得点での勝負となります。
算数の平均点は例年高めに推移しており、合格者の平均点が8割近くになることもあります。
計算問題をはじめ、一つ一つ正確に解き進め、ケアレスミスは避けるようにしましょう。
難問の出題はあまり見られないので、対策は立てやすいといえます。
速く正確に解くことを意識し、過去問できちんと練習をしておきましょう。
国語
算数と同様に、試験時間は50分、配点は150点満点です。
大問2問の出題となり、物語的文章が1問、説明的文章が1問となります。
それぞれの大問で記述問題が2問程度出題されるほか、基本的には選択肢問題が中心となります。
また、漢字の読み書き、慣用表現、品詞なども出題されるので、言葉に関する知識や文法もきちんとおさえておく必要があります。
大問は2問でも、漢字などの問題も含めると、時間的余裕があるわけではありません。本文が長いので、速く正確に読む読解力が求められます。
過去問だけでなく、同じような長さの読解問題を数多く解き、十分に練習をしておく必要があります。
速く正確に読むことを常に意識しておきましょう。
社会
試験時間は35分で100点満点となります。
大問3問で、地理、歴史、公民でそれぞれ出題されます。このうち、地理と歴史の出題がやや多いという傾向があります。
適語記入問題や選択肢問題のほか、記述問題も出題されます。
適語記入問題や記述問題の割合が比較的多いため、誤字脱字をせずに正確に書けるようにしておきましょう。
また、資料や統計の読み取りや、時事問題に関する知識も求められます。
試験時間が35分で短いので、時間配分には十分に注意する必要があります。
また、合格者平均点が比較的高いため、高得点の勝負になることもあります。
誤字脱字などのケアレスミスを避け、得点できるところはきちんと正答し、時間内に解くことが必要です。
理科
社会と同様に、試験時間は35分で100点満点です。
大問は5問で、4分野からバランスよく出題されます。
難問というより基本問題が中心となるので、それぞれの分野で基礎知識を正確につけておく必要があります。
出題形式としては、選択肢問題が中心となります。
年度によって計算問題や記述問題が出題されることもありますが、まずは選択肢問題を中心に対策をしておくことが重要です。
基本問題が中心となりますが、35分という短い試験時間で4分野をまんべんなく解くことになるので、スピードも必要になります。
過去問で時間配分をきちんと確認し、速く正確に解き進めるようにしましょう。
過去問
受験者平均点の特徴
2020年度の平均点を500点満点で見ると、次のようになります。
第1回 | 第2回 | 第3回 | |
受験者平均点 | 326点 | 310.3点 | 318.8点 |
受験者平均割合 | 65.2% | 62% | 63.8% |
合格者平均点 | 383.7点 | 370.5点 | 394.8点 |
合格者平均割合 | 76.7% | 74.1% | 約79% |
これらの結果を見ると、合格者平均点と受験者平均点の差が目立ちます。倍率も高くなっているため、他の受験者ときちんと差をつけることが重要です。
特に第1回と第3回では、合格者の平均点が8割近くとなっていることが特徴的です。
法政大学中学校合格のために必要なこと
法政大学中学校の試験問題は、基本や標準レベルの問題が中心といえます。
一方で、時間配分など、注意すべきポイントもあります。
特に社会と理科の試験時間は短いので、時間内にまんべんなく解かなければなりません。
また、国語の読解問題は、文章量が多い傾向があります。
こちらも時間内にきちんと解き進めるために、日ごろからスピードを意識しておく必要があります。
試験問題の傾向は、いずれの科目も比較的つかみやすいです。
まずは傾向を把握したうえで、きちんと得点源にできる部分を増やしていきましょう。
算数など、平均点が高めに推移している科目もあります。
速く正確に解答できるように、十分な練習を重ねておきましょう。