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フェリス女学院中学の特色
フェリス女学院中学校(以下:フェリス女学院中学)は学校法人フェリス女学院が運営している学校で、女子学院と並びキリスト教に基づく日本最古の女子校の一つです。
神奈川私立女子御三家の一つに数えられ、横浜山手の歴史的景観地区の一角を占めています。
教育は、“For Others”という聖書の教えのもと、「キリスト教信仰」・「学問の尊重」・「まことの自由の追求」をモットーに、生徒一人ひとりが、6年間の一貫教育を通して、しなやかな心を育むことを目指しています。
学校の沿革
1870年に米国の改革派教会の婦人宣教師メアリー・エディー・キダー女史によって、日本最初の女子学校として創設されました。
1875年に校名をアイザック・フェリス・セミナリーとしました。
1947年学制改革により中学校を、翌年に高等学校を設置。1950年にフェリス女学院と改称し、現在に至っています。
施設
通常の教室のほか、実験室や音楽室などの特別教室も充実しています。
また、一学年収容することができる大教室や礼拝堂もあります。91,000点の蔵書を超える図書館は、120席あり視聴覚資料も充実しています。
進学先
2019年3月の合格実績では、国立では東大7名、京大3名、一橋大11名など卒業生の40%にあたる72名が合格しています。
私立では慶應大38名、早稲田大66名などしっかりとした進学実績があります。
学校周辺の環境
フェリス中学校へのアクセスは、JR根岸線の石川町駅から徒歩15分です。
横浜駅から20分強とアクセスしやすい場所にあります。
外国人墓地や歴史的な建造物の多い異国情緒あふれる地域にあり、開学して以来の歴史が、校舎を包む木々などから感じられます。
フェリス女学院中学の受験情報
試験日
2020年2月1日
募集人員
女子180名
試験科目と配点
受験型は4教科型となっており、科目・時間・配点は次の通りになります。
- 国語:50分で100点
- 算数:50分で100点
- 理科:30分で60点
- 社会:30分で60点
合計320点満点で判定します。面接試験はありません。
フェリス女学院中学の偏差値と倍率
偏差値
フェリス中学校の偏差値は66。
倍率
2019年度の倍率は、受験者が420名、合格者が200名で実質倍率は2.1倍です。
フェリス女学院中学の入学後の学費
入学手続きに必要な費用は次の通りです。
入学金 | 300,000円 |
授業料等 | 387,200円 |
施設設備費(初年度のみ) | 250,000円 |
その他 | 80,400円 |
初年度納入金は約130万円、中学3年間の費用は約280万円になります。
フェリス女学院中学の入試問題と対策
算数
フェリスの算数は年によって難易度が変わります。2016年は大問5題、小問21題の構成でした。
対策としては、基本問題を速く正確に解く訓練をベースとし、典型題についても多くの問題に触れ100%の正答率を身につけておくことが大切です。
応用問題も出題されるため、速さ、平面、立体図形、割合については、難度の高い問題でトレーニングしておく必要があります。
国語
2016年入試は、物語文(約3800字)、説明文(約2700字)、言語知識問題、漢字の読み書きの大問4題の構成でした。
フェリスは記述が特徴的で、本文からの読み取りだけでなく自分の考えを書かせる問題もあるため、しっかりとした対策が必要になります。
また、書き抜き問題や選択問題であっても、候補が複数考えられ迷わせる問題も多いため、文章を細かくチェックしながら読む練習をしておくことが大切です。
社会
2016年は、大問3題で、総設問数は38問でした。歴史と地理の出題比率が高く、政治の比率は低い傾向があります。
30字程度の短文にまとめる記述問題が8題、50字程度の記述問題が1題出題されました。
短文の問題は典型題と言えるので、単語の知識だけでなく背景知識さえしっかりと押さえてあれば十分対応できる問題となっています。
出題範囲も基礎・基本と言えるので、細かい知識の習得というよりは、ベーシックな知識を短文で答えられるような形で正確に押さえておくことが大切です。
理科
2016年は、大問4題のうち4分野から各1題、総小問数34題の出題でした。
出題範囲はオーソドックスな受験理科の範囲内と言えるので、ベーシックな知識をまずは完璧に仕上げましょう。
例年、字数制限のない記述が出題されますが、内容的には思考系ではなく知識を問う問題になりますので、しっかりとトレーニングを積めば十分に対応できる問題といえます。
しかし、時間が30分と短いために、記述を短時間にまとめあげる力は必須といえます。
過去問
3年間の受験生平均点
科目 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 |
2017年度 | 69 | 46 | 38 | 38 |
2018年度 | 60 | 48 | 38 | 35 |
2019年度 | 62 | 47 | 42 | 38 |
フェリス女学院中学合格のために必要なこと
出題範囲については、中学受験の基本的な範囲といえるので細かい知識を充実させることに力を注ぐ必要はありません。
しかし、記述問題が多いため、単語を答える問題に慣れすぎると対応力が落ちるため、一問一答ではなく、基本的な背景知識を充実させつつ一文で解答する訓練が大切といえます。
また、問題数に対して時間が短いため、速く書く訓練も欠かせません。
典型題に関しては100%の正答率を目標としてトレーニングをしましょう。