難関大学にはどのような子が受かるの?教師経験から見えてきた難関大学に合格する子の特長

勉強をする子少し前に「大学全入時代」という言葉がたびたび取り沙汰されていたのを覚えているでしょうか。

昨今は“選ばなければ誰でも大学に入れる時代”といわれています。

一昔前は“大学を卒業すればいい会社に入れる”と考えられていましたが、誰でも大学に入れる時代ですので、大学を出たからいい会社に入れるとは限りません。

もちろん個人の能力ややる気なども就職活動には大切なことですが、どこで何を学んだか、も大切です。

では、近年の難関大学といわれるような大学にはどのような子が合格するのでしょうか。高校で教員をしている筆者が経験をもとにお伝えしていきます。

そもそも「難関大学」とはどこか

まずは「難関大学」とはどこを指す言葉かを考えていきたいと思います。

「難関大学」といっても定義づけされているわけではないので、ここではよく一般的に言われている「難関大学の定義」についてまとめておきます。

偏差値による定義

一般的に難関大学と言われるのは「偏差値65以上」です。

ただし、場合によっては60以上や63以上と言われる場合もありますし、テストや偏差値を発表している会社や団体などによって微妙に数値は変わりますので、絶対の数値ではありません。

偏差値65以上の大学というと、国公立であれば東京大学、一橋大学、筑波大学、京都大学、名古屋大学、東京外国語大学、東京工業大学、お茶の水大学、横浜国立大学などが挙げられます。

また私立であれば慶応義塾大学、早稲田大学、国際基督大学、順天堂大学、上智大学、近畿大学などが挙げられます。

大学の学費

ネームバリューによる定義

もちろん上記に示したような大学は世間一般的によく知られている大学かと思いますが、偏差値65以上の大学の中にはあまり名前をよく知られていない大学もあります。

逆に偏差値65以下であってもその知名度と人気から難関大学と呼ばれる大学もあります。

まずは、「旧帝国大学」の北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学、九州大学の7校です。

次に関東では「MARCH」と呼ばれる明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学が有名です。最近では学習院大学を含めた「GMARCH」とも呼ばれています。

また関西では「関関同立」と呼ばれる関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4校です。いずれも名前をよく聞く大学なのではないでしょうか。

「難関大学」に合格する生徒の特長

では「難関大学」と呼ばれるような大学に進学するような生徒にはどのような特長が見られるのでしょうか。

勉強時間にこだわらず、何を身に付けるかが大切

よく難関大学に合格するために何時間勉強した、という話を聞いたりしますが、高校で教員をし、大学を目指す受験生を見てきて、大切なのは「何時間勉強した」よりも「何を勉強した」だと思っています。

もちろん、土台の部分での基礎的な学力や応用力は必要です。

それを身に付けるために、かなりの時間を必要とする生徒もいることは事実です。

しかし、だらだらと勉強することは意味ありません。「何を身に付けなければいけないのか」を明確にし、そのために勉強することが大切です。

その「何か」が身に付くまでなので、もしかしたら短時間でマスターできるかもしれませんし、長時間に及ぶ可能性もあります。

また授業ノートはきれいにまとめられているのに、成績が伸びないタイプの子も多いです。

ノートをとることに一生懸命になりすぎて、時間がかかっている子は、記憶する時間が減ってしまいます。ノートは自分があとで見返し、思い出すのに使ういわば「メモ帳」です。

自分なりに思い出せるノートであれば十分なので、授業中の取り組み方も変えるとよりよくなるかもしれません。

自分に合う勉強法を見つける

勉強方法にはいろいろあります。多くの人が小学生のうちから「自分に合った勉強法は何か」ということを、テストなどを通して見つけていくものだと思います。

教科書を見ているだけで頭に入る人、書かないと覚えることができない人、その人にあった勉強をしないと、勉強の効率は上がりません。時間はみな平等です。

その中で上手く知識を付けていかないと、「難関大学」と呼ばれるような大学に合格することができない場合もあるでしょう。

身近な先生、友人、先輩や最近では勉強法に関する書籍やSNSで受験についてのノウハウいついて書かれている方もいますので、早い段階で自分の勉強の仕方を見つけましょう。

話を素直に聴き、受け入れることができる

勉強において「きちんと聴くことができるか」ということも大切になります。

授業で先生が言ったことを素直に聴くことができているでしょうか。先生方は豊富な知識や経験を分けてくれています。

まずはその話に耳を傾け、その後で自分で消化し、考え、疑問に思ったり、意見に反論したりするように心掛けてみましょう。

相手の話を素直に聴く姿勢は、大学での授業や研究で役立つのはもちろん、就職後も役立つはずです。

授業を受ける中学生

難関大学を選ぶ意味

日本には非常にたくさんの大学があります。「ただ何となく」で選んでしまうのは、高い学費を払うことになるのでもったいないです。

せっかくなら「なぜその大学に行くのか」を明確にすると良いのではないでしょうか。

その理由は、高学歴という地位を身に付けたいでも、より専門的なことを学びたいでもいいと思います。

大学を卒業する時や大学卒業後に「あの大学に通ってよかった」と、そう思える進路先を見つけられたらいいのではないでしょうか。

教員の経験上、「あの大学に行きたい」と早い段階から決めていた子は、早くからその大学の試験に向けて動くことができるので、合格する率も高いように思います。

逆にいつまでも志望大学を決めかねていると、勉強していても迷ってしまい、受験の流れに乗れないこともあります。

もし、考えた先に「難関大学」への入学を希望する場合は、ぜひ今回の記事を少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。